ながらスマホ

夜、マンションの目の前の道でのこと。

線の細い自転車に、これまた線の細い男性が乗っていた。
自転車はスピードの出そうなクロスバイクらしきもの。
男性もそれに合わせたような、ピタッとした服装だった。

左手にはスマホ。
暗い中でディスプレイが光っている。
スマホを見ながら、辺りをきょろきょろしながら。
曲がり角に差し掛かっている。
自転車のスピードはとても緩やかだ。

なーんとなく見ていたら・・・

おもいっきり、ガードレールのような障害物にぶつかった！
スピードが出ていなかった為か、大きなクラッシュ音はなかった。
しかし、ぶつかった瞬間、けっこう細身の男性の体がぐんにゃりと曲がった。
幸いにも大きく転倒はしなかったが。

目を逸らすわたし。
辺りをうかがう自転車の男性。
逸らした私の顔は、もちろんにやけ顔だ。
「笑っちゃダメだ、笑っちゃダメだ…」何度も心の中で私自身に言い聞かせる。
でもね、声は出さずに破顔一笑だよ。

ながらスマホ、キケンよね。

地図見ながらたまにしてることあるから、
私もあんまり言える立場じゃないけど。
でも、
よく見かける。
犬も歩けば、ながらスマホにぶつかる、ぐらいにね。
そんなに大事なことが、スマホの中にあるんかね。
その画面の中に、何でも答えが入っているようなかんじにさえ見えてくる。

外のことを感じようとしていないようにも見える。
私なんて、外に出たらキョロキョロしっぱなしかも。
（ちょっと不審者？）
スマホ見てたら、外のことってあんまり感じれないでしょ。
もったいないよね。
スマホはどこでだって見れるけど、
その場所の雰囲気や空気はそこだけのもの。
ヘンな看板見つけたり、ヘンな名前のお店見つけたり。
ちょっと変わった服装の人見てテンション上がったり。
そんなのが楽しいんだけどな♪