メスキータ
エッシャーが、命懸けで守った男。
エッシャーの師にあたるアーティスト
聞き覚えのない名前・・・
エッシャーの名前を出さないと関心を持ってもらえないぐらいに
美術史に出てこない名前なのだろうか・・・
それとも、最近になって作品が発見されたとか??
木版画の作品が特に見事な画家
初期の作品は、対象物の特徴を見事に捉え
陰影の付け方に工夫を凝らし
黒と白だけの木版画(人物画)で見事に表現している。
簡素な表現だからこそ、構図や明暗の描き方が突出していることがわかる。
唸ってしまうぐらいに見事な表現力だ。
しかし、年月が経つと「ファンタジー」と題した作品が描かれていく。
人物が捻られ、丸まり、引き伸ばされて、デフォルメされている。
およそ常人が描けるような作品ではなく
病的な雰囲気をかんじるものも散見できる。
自身の無意識的な部分を描き出そうとするシュールレアリズムでいうことの自動筆記に近い考え方も持っていた。
初期の作品からは想像できないような作風
多面的という言葉だけでは括りきれないような印象を受けた。
画家の周りで何が起こったのか?
衝撃的な出来事があったのか?
精神的ショックを受けるようなことがあったのか?
アーティスト(表現者)は往々にして
時代の変化を敏感に察知して作品に反映していく。
それがメスキータにも起こっていたのだろうか、と勝手に推測をしている。
第一次大戦、第二次大戦の間に大きく創作活動を展開している。
戦争が作品に影響を与えたのだろうか。
メスキータ自身はユダヤ人
最期はナチスに家族もろとも逮捕され、強制収容所で亡くなってしまっている。
実際にエッシャーが助けたのは、メスキータ自身ではなく、作品を助けたのだった。
しかし、作品を後世に残すことが、彼の生きた証を残すことにもなり
メスキータの存在を守った、ということにもなる。
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