ツルボ[蔓穂](ユリ科)
林際に広がる畑の脇で、ツルボが花を咲かせていました。この辺りでは、わりとよく見かける花のひとつです。
先日読んだ「日本人は植物をどう利用してきたか」(中西弘樹著)によると、ツルボは飢饉に備えて植えられていた、救荒植物のひとつだそうです。救荒植物は、デンプンを多く含み、主食の代用あるいは主食と混ぜて食べられるもので、病害虫に強く、天候不順な年にも生育でき、雑草との競争にも強く、手入れをしなくても繁殖できる植物だそうです。
他にも、ノビルやアマナ、ヒガンバナなどが救荒植物と考えられているのです。
江戸時代には、救荒植物の本が幾つかまとめられていたそうですが、天候不順は今よりももっと生活を脅かしていたのですね。
私がいつも利用する駅の、使われていない線路の枕木の間から、いくつもツルボが花を咲かせていました。
でも、駅の改良工事によって、線路が敷き直され、ツルボの花もなくなってしまったようです。
ちょっと寂しい、駅の風景です・・・
2011年の花
9月中旬 横浜市内にて