「この木、枯れていますか?」と聞かれることがあります。
緑真っ盛りの時期に、葉が茶色くなったり、落葉しているようなら、判断は容易です。
しかし、今(晩秋~冬)の時期に、落葉樹の木が枯れているかと聞かれると、なかなか判断しにくい・・・。
そこで、ちょっと簡単な「木が枯れている」か、「木が生きている」かを見抜く方法をご紹介
それは、「素手で木(枝)に触れる」です
触れたとき、木(枝)が冷たければ生きています。
逆に、暖かければ、枯れています。
これは、実に簡単な理屈で、
「木が冷たい=水分がある」なので、木は生きていると判断できます。
「木が暖かい=水分がない」なので、木は枯れていると判断できます。
生きている木の幹全体に水分が行き渡っているので、冷たく感じます。
実際に、枯れている枝と生きている枝を触って比べてみると、その違いがよくわかります。
(百聞は一触に如かず)
この触診は、シンプルでかつ非常にわかりやすい診断方法の1つですが、クヌギのように樹皮がコルク質で、分厚い木には不向きですので、その場合は、枝に触れてください。
ちなみに、観察会のネタとしても使っています。
(慣れれば、冬芽のあるなしとかで、判断できるようになります。)
昔、師匠とこんなやりとりがありました。
「手袋をつけて、山に入ると絶対に安全か?」
「ん~・・・安全。」
「素手の方が安全な時もある。」
「??」。(なんで?だって、トゲのある木やツル、かぶれる木、マムシ、イラガなど危険な生き物が潜む山の中で、素手でいる方が、危険では?)
「木をつかんで、登ったり、降りたりするとき、素手でつかんだ瞬間に、枯れている木がわかる。枯れ木と気づかず、掴んで登ろうとすると、山から転落することもある。必ずしも、手袋していれば、安全とは言えない。ときに、素手で山を上り下りする方が、安全な場合もある。常識にとらわれるな。自然相手では、いろんな角度から見て、物事を考えろ。」
「なるほど」
手袋の着用は基本。
状況次第で、素手になることも必要だということなんです。
その状況を正しく判断できない(それが難しいんですけど・・・)と、ケガになるというわけですね・・・。
自然相手は一生勉強ですね