はぐくみ幸房@山いこら♪

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樹木の触診

2015年12月02日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 「この木、枯れていますか?」と聞かれることがあります。

 緑真っ盛りの時期に、葉が茶色くなったり、落葉しているようなら、判断は容易です。

 しかし、今(晩秋~冬)の時期に、落葉樹の木が枯れているかと聞かれると、なかなか判断しにくい・・・。

 そこで、ちょっと簡単な「木が枯れている」か、「木が生きている」かを見抜く方法をご紹介

 それは、「素手で木(枝)に触れる」です

 触れたとき、木(枝)が冷たければ生きています

 逆に、暖かければ、枯れています

 

 これは、実に簡単な理屈で、

 「木が冷たい=水分がある」なので、木は生きていると判断できます。

 「木が暖かい=水分がない」なので、木は枯れていると判断できます。

 生きている木の幹全体に水分が行き渡っているので、冷たく感じます。

 実際に、枯れている枝と生きている枝を触って比べてみると、その違いがよくわかります。

 (百聞は一触に如かず

 

 この触診は、シンプルでかつ非常にわかりやすい診断方法の1つですが、クヌギのように樹皮がコルク質で、分厚い木には不向きですので、その場合は、枝に触れてください。

 ちなみに、観察会のネタとしても使っています。

 (慣れれば、冬芽のあるなしとかで、判断できるようになります。)

 

 昔、師匠とこんなやりとりがありました。

 「手袋をつけて、山に入ると絶対に安全か?」

 「ん~・・・安全。」

 「素手の方が安全な時もある。」

 「??」。(なんで?だって、トゲのある木やツル、かぶれる木、マムシ、イラガなど危険な生き物が潜む山の中で、素手でいる方が、危険では?)

 「木をつかんで、登ったり、降りたりするとき、素手でつかんだ瞬間に、枯れている木がわかる。枯れ木と気づかず、掴んで登ろうとすると、山から転落することもある。必ずしも、手袋していれば、安全とは言えない。ときに、素手で山を上り下りする方が、安全な場合もある。常識にとらわれるな。自然相手では、いろんな角度から見て、物事を考えろ。」

 「なるほど

 

 手袋の着用は基本。

 状況次第で、素手になることも必要だということなんです。

 

 その状況を正しく判断できない(それが難しいんですけど・・・)と、ケガになるというわけですね・・・。

 自然相手は一生勉強ですね