はぐくみ幸房@山いこら♪

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目立て 砥石

2015年12月30日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 年越し前に、日頃から大変お世話になっている鉈とヨキの目立てをしました

 砥石も、いろいろな種類がありますが、大きく分けると人工砥石と天然砥石。

 Toishi_2←人工(左)、天然(右)

 

 僕は、天然砥石を使っています

 種類は「天上巣板」と「戸前」で、これらの砥石で鉈やヨキを研ぎます。

 「天上巣板」は刀剣や日本刀の仕上げ用です。

 人工砥石は、一応持っていますが、あまり使いません。

 

 

 目立ての時は、いつも、携帯用の天然砥石を使います。

 つまり、刃物を固定し、砥石を動かす方法で目立てをします。

 一般的には、砥石を固定し、刃物の方を動かすかと思いますが、携帯砥石の方が、砥石を通じて、刃先を指で感じやすい・・・というか、その方法ばかりで目立てをしてきたので、単に、刃物を動かして目立てするのが苦手なだけ

 なので、携帯用の砥石しか持っていません。

 

 人工砥石は、大きく分けると荒砥石・中砥石・仕上げ砥石の3種類。

 荒砥石は、刃が欠けたときなどに使います。

 あと、新品の鉈などを購入したとき、使う前に荒砥石でワックス?(コーティング?)を取り除いてから、天然砥石で研ぎます。

 

 中砥石は、通常、研ぐときに使います。

 仕上げ砥石は、中砥石でできた小さな傷を取り除き、刃を整えます。

 刃物に研ぎ傷が残ると、その傷口に樹液が付きやすく、すぐに切れ味が悪くなります。

 Toishi_1

 一番左は、人工砥石。茶色が仕上げ、灰青色が中砥石の両面になっています。

 左から2番目は、人工砥石の荒。

 左から3番目は、天然砥石の天上巣板。

 一番右は、天然砥石の戸前。

 

 目立ての基本は、砥石を真っ直ぐに砥ぐ。

 真っ直ぐに砥げているかは、砥石を見るとわかります。 

 

 携帯砥石を横から見たの場合、 

Toishi01 

 ちなみに固定式の砥石の場合は、

Toishi02_2 

 携帯砥石を正面から見た場合、

Toishi03

 あと、鎌や鎌鉈を砥ぐ場合は、砥石を斜めにし、片方に偏らせるように砥いでいるので、砥石の形が上の図(下)のようになっています。

 そういう砥石は、鎌専用に使用しています。 

 右側が偏ったら、次は左側で砥ぎ、偏りを修正したりもします。

 

 あくまで、僕の場合は・・・という、1つの目安として、参考になれば幸いです。

 

 

 刃物の目立てはとても大切です

 

 目立ての腕が上がると、切れ味が増す

 

 腕前が上がったと確信できる瞬間がとても楽しい

 

 (今回の目立ても自分的には良い仕上がり。現場で使う日が待ち遠しい

 

 手入れをすると、愛着を持つので、大切に使うようになります。

 

 そして、大切に使うということは、無理な使い方をしない・考えて使うようになり、怪我をしにくくなることにつながります。

 

 刃物は、大切に手入れし、大切に使うことで、作業の安全性が向上すると、師匠に指導いただきました

 

 

 最後に、天然砥石は、京都負亀岡市の「砥取家」さんで購入しています。

 

 興味のある方は、こちらをご覧ください→ http://www.toishi.jp/seihin_1.html