はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

広葉樹林化は獣害リスクを高めるのか。

2016年04月07日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 スギ林やヒノキ林を伐採した後に広葉樹を植栽すると、その周辺の林分で獣害被害のリスクが高まるのか?

 という研究が第127回森林学会大会にてポスター発表されていました。

 参考までに発表ポスターの写真は撮影させていただきましたが、ここへの掲載は控えます。

 広葉樹林化を進めた場合、シカやクマによる剥皮被害が高まる地域を色分けマップにして、分かりやすく、まとめておられました。

 シカによる剥皮リスク。

 関西をはじめ西日本は、ハイリスクの赤色が多く、九州(熊本県・宮崎県あたり)や四国(特に徳島県)も赤色が目立ちました。

 東日本は関東に赤色が固まり、北海道も赤色が多かったです。

 東北などの東日本では、シカの生息頭数が、今はまだ少ないものの、広葉樹林化が進めば剥皮を受けるリスクは高くなるとのこと。

 クマによる剥皮リスクは、全体的にハイリスクの赤色は少なかったです。

 

 さて、環境志向が高まる中、広葉樹林化の取り組みは進められています。

 しかし、この取り組みを進める裏側で、実は、獣害リスクを高めているということの認識を持つことが、これからは重要だと思いました。

 決して、広葉樹林化を否定しているわけではありません。誤解しないで下さい。

 植栽樹種がスギやヒノキであろうが、サクラなどの広葉樹であろうが、結局のところ、植栽地や伐採地、伐採跡地にシカは集まります。

 そして、伐採や植栽、作業道開設など山で行う施業は、「シカを増やす」ということに繋がっています。

 これから広葉樹林化を進めようが、再造林を進めようが、そういった行為そのものが、シカの繁殖を促していることを認識する必要があると思います。

 今回のポスター発表は、それを裏付ける1つの根拠になるな~と思った次第です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする