自分が好きな作家が高齢となり、
なかなか新作が読めなくなるというのは、
仕方ないこととはいえ、
寂しい限りだ。
たとえば、
僕がもっとも影響を受けた作家は、
筒井康隆。
今なおエッセイの類を連載し、
テレビにもレギュラー出演している筒井康隆だが、
小説となると、
現在『ファウスト』に
『ビアンカ・オーバスタディ』というラノベを連載しているが、
それ以外、ここ数年新作は書かれていない。
もう短編小説を書くことはないのだろうか。
同じくSF作家の小松左京となると、
新作の可能性はほぼゼロだろう。
だから、今までに何度も読んだ作品たちを、
読み返すしかない。
そう諦めていた小松左京の、
未読作品を読むことができた。
埋もれていた短編が発掘されたのだ。
『11人』(小松左京マガジン34号に再録)がそれである。
40年以上前に書かれた作品ではあるが、
未読という点では、ある意味“新作”と同じである。
そうか、発掘という手があったか。
筒井康隆の場合、
未収録作品の多くは全集に収められてしまい、
残っているのは、
本人が不本意な作品のため、
全集には入れなかったもののみ、
そう思っていた。
それでもその後、数編の短編が発掘され、
角川文庫の自選短編集に入った。
一方、
小松左京は作品数が膨大なせいと、
筒井康隆における平石滋さんのように、
国会図書館に足を運んで、
作品リストを作成しているような方がいないようなので、
作品リストにはかなり不備があると思われ、
そこには旧作発掘の可能性がかなりあるはずだ。
今回の『11人』発掘を機に、
新たな発掘がなされることを望んでやまない。