山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

アキメヒシバ 人が暮らす気配

2006-10-27 | 植物
写真の左端の下から上の端に向かって、赤みがかった筋があります。この草原を横切る人の通り道に、アキメヒシバが生えたものです。

とはいっても、ここが通り道だというのは、推測です。
ここだけに違う草が生えているので、ここが通り道だと分かるのです。

アキメヒシバは踏みつけに強い草なのですね。
近縁のメヒシバも、地面のかたいところにあるという印象を受けます。
その点エノコログサはもう少しやわらかい、少し前まで畑だったようなところにあります。

種子が人のズボンや靴にくっついて撒き散らされることもあるでしょう。
濡れているときはよくくっつきます。

踏みつけられるところは、踏みつけに弱い草は退散していくので、アキメヒシバが棲めるのですね。
踏みつけられても強い人になって生きるしかない草です。地味っぽくてだれもちやほやしてくれません。名前も覚えてくれません。
だからイネ科はすばらしい。

栗はきれいに割れます

2006-10-27 | 植物利用
栗はまっすぐに割れてくれます。細いものはなた、太いものはよきを当てて、その上から木槌でたたくと、すぱっと割れます。
中には曲がっている木があり、そうすると木目どおりに曲がって割れます。

昔から屋根などに使っている栗のへぎ板は、この性質を利用したもので、
のこぎりでひかず割ったままの状態で木目がつぶれていないからこそ、
水が木目を伝って流れ落ち、板がいたみにくかったという話を聞きます。

割れるということは、鉄の刃物がなかった時代、利用するためには大事な性質でした。