アミメニシキヘビの捕獲の様子を映像で見ていて、あんな装備で大丈夫なのかと心配だった。もっと、フェンシングの防着みたいな着なきゃ、と。獲物にとびかかってきて巻き付いて絞め殺すと聞いていたから。
けど、爬虫類専門家の人が普通の服で乗り込んでいって捕まえているのだ。その「普通の」服がまた、まるで会社に行くときみたいな、サラリーマンの昼休みみたいな格好、つまり、ワイシャツに普通の黒っぽいズボン。もっとアウトドアっぽい服の方が爬虫類専門家に見えるけど、自信のある人はやはり見た目などどうでもいいらしい。
捕獲されたヘビが無事だったことに多くの人が「よかったよかった」感なのがほっこりする。「確保」「捕獲」って言ってる記事もあるけど、「保護した」と表現しているものもある。意外にも「ヘビ大嫌い。そんなもの殺しちゃえ」みたいな人の声は、もしあったとしてもマスコミやネットではあまり取り上げられていない。
ただ、ヘビがこれからまた狭いケージに入っておそらく一生過ごさなければならないだろうことを思うと、本当にかわいそうだ。ケージの中で体をまっすぐ伸ばすこともできない。生きる楽しみって何だろう。ヘビには生きる楽しみはないか? 山で花を愛でたり歌ったり踊ったり友達や恋人とたわむれたりなんかしたくなくて、ただ餌が食べられればそれでいいのか?
植物の話を書こうとしているのです。蛇じゃなく。
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マムシグサの季節 から9日経ったマムシグサ。
すっかり完全なマムシグサの姿になっている。
これは雌株。
マムシグサは小型でひょろっとしたのが雄株で、大きくて立派なのが雌株。
雄株が栄養がよくてむくむく成長すると雌株になるのだ。
ここで別に人間のことを考えて哲学する必要はなく、要は、種子をつくるのに栄養がたくさん要る、そういう立派な体になる必要があるってことなんだろう。
3本のマムシグサ。1番は草丈が120㎝ぐらいある。これは雌株。
2と3は雄株だった。
それは花を見ると分かる。仏炎苞という帽子みたいなところの根元をめくると中に花的なものがずらりと並んでいる。雌株の場合は緑のとうもろこしみたいな珠が並んでいるが、雄株の場合は白く小さい雄蕊がちょこちょこ並んでいる。
けれど、慣れてくると、めくらなくても、仏炎苞の根元を外から指で触るだけで分かるようになる。雄株の場合はへなへなのやせやせ、実がない感じが分かる。
マムシグサの仲間は地域変種が多いしパッと見同じでも別種であったりする。なので、この手のものをざっくりマムシグサと呼ぶことが多い。
うちの地方にはこの写真のもの(多分オオマムシグサ)とスルガテンナンショウがある。それは中の棒の形が違うのですぐ分かる。オオマムシグサ(この写真)は中の棒(「肉穂花序の付属体」という)がただの棒状で、紫色をしている。林内の湿ったところに生えている。
写真/オオマムシグサ Arisaema takedae Makino 2021年5月下旬
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