山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

アサツキの花畑は海辺の岩場に 今が花期

2021-05-27 | ネギの仲間 アサツキ・ラッキョウ・ノビル・ヒトモジ…

写真/手前・アサツキの花 後ろ・トビシマカンゾウ 新潟県佐渡相川 2020年6月上旬

アサツキ Allium schoenoprasum var.foriosum

アサツキの花期はちょうど今。先日うちの庭でも1本咲いていて驚いた。

驚いたというのは、これまでわが地方でアサツキの花を見たことが1回しかなかったからだ。チャイブは畑でよく咲いているけど、アサツキが道端でやたらに咲いていたりはしない。「雑草」としてひんぱんに刈られてしまうからだとしても、咲いていなさすぎる気がする。

アサツキはわが地方では人家の近くにしかない。山の奥とか自然度の高いところで見ることはない。

アサツキは咲かないものだと思っていたら、佐渡で盛大に咲いているのを見たのは昨年。衝撃だった。改めて北龍館の図鑑を見てみると、アサツキは日本海側から北海道にかけてが自生地で、特に海岸近くに多いようだ。我が地方の道端にあるものは栽培していたのが逸出して広がったものらしいのだ。

さらに、少し大型のエゾネギというものがあることが分かり、この写真のものもエゾネギなのかと疑ったが、エゾネギは花を包む膜が紫色をしているものなので、おそらくアサツキの方でいいと思う。そして、エゾネギ=チャイブ なんだとか。西洋アサツキとも呼ばれるチャイブが日本に自生のものだとは全然知らなかった。

トビシマカンゾウを見に行ったのだけど、思いがけず一緒に咲いていたアサツキに狂喜乱舞な私であった。海辺の岩場にオレンジとピンクの花が咲き乱れる光景は「お花畑」と呼ぶにふさわしい。佐渡はトビシマカンゾウを売り物にしているけれど、アサツキのことももっと自慢していいと思う。

オレンジ色のトビシマカンゾウ。手前足元にピンク色のアサツキ。

北龍館の図鑑のアサツキの項にも「新潟県の自生地は海岸で、キリンソウ、オオバギボウシ、スカシユリなどに混じって生えていた」とあり、新潟は結構アサツキに遭遇できるところなんだと思う。

北龍館の図鑑書いた人が見たのはまさにここなんじゃないか。

手前・スカシユリ 奥・アサツキ

真ん中の白花はキリンソウではない。ベンケイソウ科だと思うが何なのかいまだに謎。

礫質のところに生えているアサツキ

これらのネギの仲間はAPGⅢ(2009)の分類以降、ヒガンバナ科ネギ亜科のネギ属になっている。ネギ属=アリウムとして花壇に植えるものがたくさんある。つづりをよく見るとどちらかというとアッリウムである。

アサツキ(桃花)、ニラ(白花)、ラッキョウ(紫花)、どれもきれいなので、どうしてもっと花壇に採用されないのか不思議だ。ノビルだけは地味である。

ノビル花期(岐阜県中津川市・2020年5月)

 

なお、離島や山間僻地では特に新型コロナウイルスに警戒していることが多いので、旅行には注意が必要。

 

 

★ホテルファミリーオ佐渡相川 で見られます。夕食のレストランの窓から海と花畑一望。 

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