山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

◆グラジオラスは必ず倒れるので切り花用と割り切る

2021-07-09 | 植物

毎年この時期にグラジオラスを切っては写真に撮っている。私の買ったグラジオラスは、なぜか紫の方が白よりも10日ぐらい遅れて咲き出す。

グラジオラスはいろいろな花色のものが作られていてとてもきれいだ。種苗会社のカタログを見ているだけで楽しくなるが、楽しくなるだけでなく買いたくなる。そういうわけでおそらく10年以上前に大和農園で買った「紫と白の混合」、球根が15ぐらいずつ入っていたと思う。

今では花が少し小さくなった気がするが、とにかくものすごく見事に毎年咲く。グラジオラスは連作できず放っておくと減ることになっているのだが、私が買ったものは、3、4年放置しても減る気配はない。それでも2回植え替えている。

球根を植えっぱなしにした場合、咲くのはこの時期、つまり梅雨も後半に入った頃だ。どこの畑でもそうだ。この時期に電車に乗って車窓を眺めていると、あちこちの畑の隅でグラジオラスが咲き誇っているのが見られる。

しかしながら、こうして自然な時期に芽を出して咲いた全てのグラジオラスは、花が梅雨の雨を含んで必ず倒れる宿命にある。品種改良により花が大きく豪華になったために倒れることになってしまったのだ。

本当の自然の花であればこのような倒れ方をするのは植物として不自然なので、原産地を調べてみたら、アフリカだった。そして、原種は当然のことながらもっとほっそりした花なので、茎が花を支えられなくなることはなさそうだった。おそらくアフリカの、日本の梅雨よりは乾燥した気候で咲くものだろうと思う(勝手な推察)。花が小さくてさらに雨を含まなければ倒れなくて済むということだ。

グラジオラスはアヤメ科の花で、花はアヤメとは似ても似つかない気がするが、葉を見ると確かにアヤメらしさがある。日本ではアヤメ、カキツバタ、花菖蒲が有名だが、カキツバタと花菖蒲は水辺に生えるが、アヤメはわりと乾燥した草原に生えるものだ。グラジオラスもそんな花のような気がする。ちなみにこの時期に咲き誇っているアヤメ科の花にニワゼキショウという外来種がある。

で、必ず倒れるグラジオラスにどう対処するかと言えば、これはもう切り花として楽しむしかないのである。畑の片隅に植えてその光景を楽しみたいのはやまやまなのだが、倒れている光景はなかなか100%楽しめない。脳内で、倒れている花を立てて、倒れてない光景に修正して楽しもうと試みるが、少々脳にストレスがかかっているのを感じる。

なお、かつては庭の花壇にグラジオラスを植えていたのだが、花後に葉がどんどん大きくなって生い茂り、花壇が草むらみたいになってしまうので(実はそうでなくても草むらだけど)、花壇には植えないことにしている。

 

一つだけグラジオラスを倒さない方法として試す価値があるのは、花期をずらすことだ。グラジオラスは球根植え付けから3カ月ごに咲くそうである。3月頃から植えることができて、熱心な園芸家であれば、6月頃まで時期を少しずつずらして植えるのである。7月末から8月頃に咲くようにすれば、梅雨に咲くよりは雨を避けられる。ただ、夕立に会うとひどいことになることも考えられるが。雨の降らない時期に咲けば、少しは倒れないで済むかもしれない。それでも頭が重いのは同じなので倒れるものもあるかもしれない。


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