山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

小値賀島柳集落 かんころの季節

2008-11-02 | 
いきなりですが、日本です。
スラウェシ島で竹すだれに干された魚を見ていたら、どうしたって小値賀島のさつまいも干しがありありとよみがえってしまったのでした。

九州の西の北の方、五島列島のすぐ北、平戸諸島に小値賀島(おぢかじま)はあります。
五島からこのあたりは「かんころ」つまりさつまいもが産物です。昔はお米ではなくさつまいもを主食としていたとこのとです。
お米を毎日食べるようになった今でも、大量のさつまいもを盛大に干して保存する習慣が残っています。そんなにさつまいもを食べないのに、この仕事をまだまだみんなやめないのです。人間って、ほんと不思議なものです。
さつまいもを干さないと、年が暮れていかないのでしょう。
ちょうど今の季節です。

さつまいもを粉にして練って作ったおもちはかんころ餅といわれています。

現代になって日本人がものすごく失ってしまったのは食品の保存技術です。
冷蔵庫ができたせいです。
塩漬けも、乾物も、必要なくなりました。
たくさんあると冷凍して保存するので、「おすそわけ」もしなくなりました。

食品保存は人間の生死を分ける技術であります。
風や太陽や凍る寒さという自然のエネルギーを利用して、保存するのですから、
保存された食品の中にはエネルギーがいっぱい詰まっているという理屈になります。

こんな保存食品はどんどん失われていきますが、もっと見直さないと。てか、おいしいんですから。ふかしたさつまいもより、干し芋のほうがおいしいし、生魚の塩焼きより干物のほうがはるかにおいしいと私的には思います。

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