山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

◆梅雨明けの恐怖&ムラサキツメクサをガーデンに取り入れれば

2021-07-15 | 植物

ムラサキツメクサ 7月上旬 岐阜県

朝目が覚めたら青空が広がっていた。

恐怖。もしや、早々に梅雨明けしてしまったか? 天気予報では週末晴れるものの来週は結構雨マークが続いているのだが、もし梅雨前線が早く引き上げることにしたら、明けてしまうと覚悟していたのである。

できればこのまま明けない梅雨であってほしい。明けない夜はないし終わらない冬もない(と思う)が、明けない梅雨というのは私の体験上1回だけあった。もう30年ぐらい前のことだ。梅雨が明けないままお盆休みに突入し、8日間ほど海外旅行に行って帰ってきたらまだ梅雨だった。それはそのまま秋雨前線と名前を変えた。だからそういう可能性もないわけではないのだ。

梅雨が明けなければ稲がうまく育たず凶作になって野菜は値上がりし困ったことになることは分かっている。また、雨降りすぎで大変な災害になっている地方もあり被災された方々を思うと心が痛む。なので梅雨は明けた方がいい。けど、体感としては酷暑がつらい。夏の強烈な暑さは本当に恐ろしい。暑さで被災する人もある。ちなみに寒さもつらいのであるが、暖房すればまだ何とかなる気がする。夏を涼しくするには梅雨を続けるしかない。しかし、標高千メートルぐらいの高原とか北海道とか沖縄に移住するという手がまだ残されている。このごろ夏が一番涼しいのは沖縄地方である。海に囲まれていると涼しいのだと思う。

幸い10時ぐらいになったら曇ってきた。何とか今日はまだ梅雨であるらしい。ひょっとすると今日が梅雨最後の日になるかもしれないので、このしっとり感を満喫したい。

 

梅雨時の花々はみんなやさしい色をしている。木の花はほとんどすべて白なのだが、草花は、白いドクダミ、薄赤紫のヤマホタルブクロ、薄ーい黄色のキバナノヤマオダマキ、ちょっと遅れてギボウシなど。そして、ムラサキツメクサ。

ムサラキツメクサはシロツメクサに対して薄紫なのでこの名になったと思われる。どっちかというと桃色ツメクサぐらいにしてほしかった。シロツメクサに似ているかというと、確かに花の形は似ている。葉の形も似ているな。けど、姿はかなり違う。シロツメクサが地面を這いつくばってグランドカバー状になるのに対して、ムラサキツメクサは立ち上がって咲く、普通に姿の良い(!)草花である。草丈は30㎝から大きいものでは60~70㎝になるだろう。何より切り花にもできる。上手にアレンジして生けたら素敵だ。咲き出す時期はシロツメクサ3月頃に対してムラサキツメクサはせいぜい5月、大体6月で、6~7月が最盛期。8月にも咲いていると思う。田んぼの土手や畑の横の道端にやさしいピンク色の花を咲かせている。紫とはちょっと言い難い。

立ち姿が結構端正で色がやさしくよく咲くので、花壇にはぴったりだと思うが、なぜか道端に生えてる草は花壇用として植えられないのである。種苗店が品種改良して売り出したポット苗をホームセンターで買うのが多くのガーデナーの楽しみなのでそういうことになるのだろう。種苗店のカタログでもこの花を見たことがある。それは鑑賞用でもあるが、牧草というか、土を肥やすための緑肥としての扱いであることもある。都会に住んでいたら道端でこの花を見つけようとしても困難だろう。だから、園芸店が売り出さない限りは花壇に植えることはできない。

さて、話を戻すと、この時期の花壇の花は、オミナエシ、キキョウ、オカトラノオ(注)、ノカンゾウ、ギボウシ、アガパンサス、アジサイ、最近咲き出したミソハギなどであるから、その合間や片隅にこの花が群れ咲いていたりしたらとてもきれいだと思う。上に挙げた花は私の趣味であって、普通のガーデナーはもっと違う花を植えているかもしれない。色鮮やかなバーベナとかなんとか(何にも花を思いつかない……)。そういうのじゃなくて、色の優しい花群の一員として、このムラサキツメクサを加えたらとてもいいと思うのだ。さらに、日本では聞かないが、原産地の方では薬用にされているようである。

田舎の道端のムラサキツメクサ

ただし、道端に生えているのを見ると、灰色カビ病にかかっているらしいのがたくさんある。梅雨に咲くけれど、意外と湿気に弱いかもしれない。ヨーロッパの方が原産らしく、日本よりは乾燥したところで育ちやすいのかもしれない。また、分布域ということでは、シロツメクサに比べると少し涼しいところで多く見ることが多い。

(注)オカトラノオというのは、日本では野草で、庭に植える人はほとんど見ないが、北米では日本から輸入した園芸種としてガーデニングに大人気だと聞く。

 

雨が激しくなってきた。



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