山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

乙女渓谷を散策

2006-08-21 | めぐる季節と自然
文化センターの講座で森林ガイドをしています。先日は中津川市加子母の乙女渓谷に行きました。
ここは2年間ほど遊歩道の工事中で入れなくなっていたのです。今年は待ちに待った開通でした。
先日の下見では最も奥の夫婦滝まで行きました。ただでさえ標高1200mで木が生い茂っていて涼しいのですが、滝から細かい霧が流れてきて涼しいこと! 単に涼しいというより、やはり癒される心地よさです。マイナスイオンなんでしょうか。

昨年の愛・地球博で園路に細かい霧をときどき流して涼しくさせていましたが、これの真似だったのね!とわかりました。

裏木曽の渓谷の水は本当にきれいです。水が少したまっているところでは美しいエメラルドグリーンで吸い込まれそうで、見ているだけで幸せな気分になるのです。
これは見た人にしかわからない気持ちでしょう。

私はこの色を見ているとどうしても水に入りたくなります。
自分が入りたいのと同時に、天女が水浴びしているところを想像します。


ここの森林は針広混交林で、主はサワラです。広葉樹はヤマグルマ、フサザクラが多く、低木ではドウダンツツジ、アズマシャクナゲなど。また、シダとコケが豊かなのが目をひきます。
少し山を隔てた南のほうでは神宮備林といわれるヒノキ90%の山がありますが、ここではサワラです。林床にサワラの幼樹がよく育って、次世代の心配もないようです。

19日は参加者の皆さんとゆっくり歩いたので、ちょうど道なかばあたりの展望台から引き返しました。
管理棟の横の林道脇にタマアジサイがあり、皆さんの目を引きました。
次回はタマアジサイの話題を。

ちなみに今日はうって変わって渥美半島のつけねの海に行ってきました。めまぐるしいです……。


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2 Comments

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加子母村の天女伝説 (写真家 ニャラーキー)
2006-08-25 21:56:53
この話は遠い日本の歴史が始まった古代の話です。



 はるか昔、恵那の郡に「樫藻」というところがありました。美しいエメラルドの水を湛えた山峡のこの地へ、ある日八羽の白鳥が舞い降りてきました。

 渓流のほとりにおりると、白鳥はたちまち美しい乙女の姿にかわり、着ていた羽衣をぬぎすて、われ先に、喜々として水浴をはじめました。



 このとき、西の山の方から、素目良(すめら)という男がこれをじっと見ていました。頭の上を飛んでいく白鳥を見て、ほかの白鳥とは違うその優美な姿にみとれていました。そして、ひょっとしてあの白鳥たちは、もしかしたら話に聞いている天女かもしれないと、後を追いかけていきました。



 緑の淵にたわむれている姿は、思ったとおり天女でした。天女たちは見られているのも知らないで、楽しそうに語らいながら、水にもぐったりして、戯れていました。



 素目良は、天女達のあどけない汚れを知らない美しい姿に強くこころをひかれ、その場を立ち去ることができません。遂に意を決し、連れていた白犬をつかって、八人の天女の中の一番下の妹らしき天女の羽衣を盗ませました。この音に気づいた、天女達は一斉にかけあがり、羽衣を着けると空高く飛び去りました。ところが一番下の妹は、一生懸命であたりを捜しましたが、どうしても羽衣が見つかりません。さがしあぐねた一番下の妹の天女は、空を仰いで天に帰ることが出来なくなった己が身を嘆き、その場に座ると泣き出してしまいました。



 素目良も哀れに思いましたが、姉たちはもう遠くへ飛び去り姿も見えないので、一人で飛び立たせることも案じられ、家につれ帰りました。



 その後、素目良は天女を妻として迎え、一緒に暮らしました。そのうちに二男二女の四人の子供が生まれました。母の天女はその後、素目良がかくしていた羽衣を見つけだし、それを着ると再び天に飛びさってしまいました。素目良は嘆き悲しみましたが、残された四人の子供をいつくしみ、大切に育てました。天女は飛び去ってしまいましたが、母としてこの地にすばらしい子を残していったのです。

 いつしかこの地を「加子母」とよぶようになり、この渓谷は「乙女渓谷」と名付けられ、親しまれています。

 この一族が加子母村の開祖となったのです。



【上記はフィクションです。何千年のちにその淵を見て天女を創造した女がいたそうな……】    終

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天女になるには (山里文化研究所)
2006-09-03 01:08:11
いい話ですね~。

きっと本当にそういうことがあったと思います。



私も天女になって飛んでいきたい。

でもオーディションの一次で落ちると思います。
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