山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

ナルコユリの葉はササユリにちょっと似

2021-05-26 | 植物

今日のナルコユリ。

 

5日ほど前見つけた。↓

アマドコロなら葉が飛んでる鳥のように上向きになるし、葉の幅ももっと広いから

これはナルコユリ。

しかし、昨日、↓

あれ? ササユリ? と。

葉の先のとがり方、スッとした感じなど。ササユリは6月に咲く。そろそろこのサイズになって出ていてもいいかも、と。

で、本日。一番上の写真。花が着いていた。拡大↓

ナルコユリでした。 Polygonatum falcatum(クサスギカズラ科)

葉の下、茎にぶらさがっているのが蕾。

 

ナルコユリ、山渓ハンディ図鑑ではなんと『野に咲く花』の方に載っている。

この野草図鑑は「野」と「山」の2分冊になっている。ナルコユリは私のところでは、下界の里の方では見たことがないので、絶対「山」の方だと思っていた。ミヤマナルコユリも「野」にある。

この図鑑は「野」が先に刊行されているので、かなり多くのものが「野」に入っちゃっているようだ。「野」で収録できなかったものが「山」にあるのだろう。

 

わが地方にはオオナルコユリというものもあり、実際に山の上の方で「あった」ことに仲間内ではなっているのだが、オオナルコユリは北龍館や山渓の図鑑には載っていない。ただ『信州の野草』という信濃毎日新聞社が出している図鑑にだけある。草丈が1~1.3mあるということ。植物体が大きいということ以外にナルコユリと区別する特徴は書かれていない。大型のナルコユリってだけじゃないのだろうか? 遺伝子とか解析してみないと本当のところは分からない。ちなみに図鑑写真の撮影地は南安曇郡。

私(たち)が見た山の上のオオナルコユリみたいなのはそこまでは大きくなかった。せいぜい90㎝ぐらいだ。

さて、ナルコユリもササユリもよく似た葉の付き方で、横向きに傾いているところも似ている。やっぱりユリ科だよねー、と思っていたら、APG分類でナルコユリがクサスギカズラ科になってしまった。クサスギカズラとは、ざっくり言ってアスパラガスのことだ。見た目は全然似てない。でも遺伝子解析に基づくと同じ仲間らしい。

ササユリはユリ科のままである。

ユリ科は、前の分類では、いろんな単子葉植物その他大勢を「とにかくユリ科でいいわ」って感じでいっしょくたにして入れていたらしく、それらがそれぞれアイデンティティーを持たされてバラバラになった。今のAPG分類でユリ科に入っているのは、ササユリのような実にユリらしい花の形のものとなぜかカタクリぐらいである。前の分類で覚えてしまった者としては、一旦ユリ科というものを脳内から消して、なかったことにしないと、新しく覚えることができない。

 


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