草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

『正しい保健体育』みうらじゅん:著

2009年04月30日 | 本棚
いやぁ~参りました。

拾い読みして大爆笑、
通読してなぜか真面目に
読めてしまった不思議な1冊。

男子の心理(悩み)って、これかぁ・・・!


   『正しい保健体育』(よりみちパン!セ)
   著:みうら じゅん
   理論社、YA新書、2004年


この本、図書館のヤングアダルトコーナーに
似たような中高生向けのお悩み解決本と
共に、澄ましておいてありました。

書名と、著者のギャップに興味をそそられ
手にとって、「ぶ!!!」
これは迷わず 借り でしょう~♪

みうらじゅんさんは、ご存じの通り
「イラストレーター、他」の肩書きを持つ
独特かつ鋭い感性をお持ちの方。

マイブームいやげものゆるキャラ見仏(けんぶつ)…etc

いとうせいこうさんとの共著、『見仏記』を
読むとわかるんだけど
みうらさん、仏教関係、とてもお詳しいです。

「六波羅密」という難しい仏教用語を本書で
解説されていらっしゃるくらいですから。
ある意味悟りを得ていらっしゃるのではないかと
思えるほどです。

本書は、全体的に、性にまつわる赤裸々な真実が
語られている、「楽しく学べる教科書」だと思います。
老いる・食事・飲酒の項もありまして、なかなかおもしろい。

でも正直言って、ちょこちょこと
つっこみたいところがあるのも確かです。

      


ハッキリ言って、この本は、読み手を選びます。

対象とする読者は、中高生の男子を想定しています。

でもね、「思春期の息子の気持ちがわからない」と
お悩み中のお母様方にも、読んでもらえると
得るものは大きいのではないでしょうか。

みうらさん独特の感性で、真実に斬り込む。

その論理は、時として飛躍しているように
思えるかも知れないけれど・・・
深いところで、つながっているような気がしてなりません。


みうらさんは、
『もともと男子は、○玉に
支配されるようにできています』
と、のっけから書いておられます。

そして、本来なら人間の男には
二大テーゼ があれば事足りるはずです、とも。


「二大テーゼ」とは

  「やりてーぜ」「入れてーぜ」のこと!!


もう~、みうらさんたら~。
真摯かつ体当たりなんだから。
ここで笑えるか否かが、本書を楽しめるかそうでないかの
鍵となりそうです。

図版とキャプションも、洒落ていて
なかなかヨイです。
笑えます。

      


人間、ここのところ
頭でっかちになりすぎていて、
本当の大切なことを、なかなか認めない傾向に
あると、わたしは思っています。

生きとし生けるもの、すべてが
次世代を残すこと、種を保存すること
を至上命題にして存在してるんではなかったっけ?

だから、中高生、二大テーゼで悶々として当然。

そして「自分塾」開催のすすめ。
これも洒落た表現です。
五感を鍛え、想像力を豊かにし、
やさしさを育むそうです。(でも隠れてやってね)


そして、「二十歳までセックスはしてはいけません」と
堂々と教えているのは あっぱれ!だと
思いました。

理由は「国会で決まっています」だそうですが(笑)

  何かあったときに、社会的に責任を取れない
  状態で、コトに及ぶのはよろしくないと
  わたしは思います。
  不幸な子どもと、不幸な家族を増やすだけ。

      


そして、一点だけ、家庭を持つ ハハとして、女性として、
強く補足したい点があります。

それは、

 >「どうしてくれんのよ!」と女子にすごまれないために

に対すること。

みうらさんは、男性なので、こうして一言で簡潔に
まとめてくれちゃっていますが・・。

万一の思わぬ妊娠は、女性の人生設計を狂わせます。

女性のライフステージにもよりますけれど、

 ●産む選択をした場合、「でき婚」に普通なります。

  相手との相性を吟味しない結婚と家庭生活は、
  冷えたものになる可能性が高くなりがちです。

  不幸な子どもと、不幸な家族になる確率が、
  望んで子供を設けた家庭に比べると、高くなります。


 ●産まない選択をした場合、女性の心に一生の傷を付けます。

  「後悔しない」と決めても、
  産めなかった子供の歳を数えるのが、女性心理です。

  身体も傷つきますから、次の子供を授かる割合が低くなります。


さらにいうと、避妊をしない行為の後は、不安な気持ちで
つぎの「スカイフィッシュ」の訪れを待つものです。
きっぱり言って、ナマでしたがる男は、つきあう資格なし!

女子は、すごむときは、本気で凄みますよ~!

      


このように、正しい保健体育の知識の普及は、
重要な社会問題を解決する
方法の一つになると信じています。

キーワードは、「リプロダクティブ・ヘルスの性」。


さらに、性教育の一環として、
子育ての実態と心構えを、中高生の段階で
男女ともに、教える必要を感じています。

今は、核家族社会になって何十年も経ちますから
赤ちゃんがどんなにかわいくて、手間のかかる生き物かが、
実際に産むまでは実感できないのです。

残念ながら、学校の性教育はたいてい、出産のシーンで終わります・・。
出産がゴールではないでしょうに。
本当はその後の方が、ずっと大切なのに。

オオカミに育てられた少女が
人間にはなれなかったように、人は食べ物だけでは
育たないそうです。

人間が、人間らしくあるためには。

子ども達に、人の情(思いやり)を育むためには
五感を磨き、コミュニケーション能力を高めること、

  自分の気持ちに素直に生きて、
  自分の気持ちをきちんとことばにできる能力、
  ひとのはなしをきちんと受け止める能力

すなわち豊かでしなやかな心が必要です。

そして、
わたしたち親が、人間(子供)には各時期における
発達段階と発達課題があり、やるべきときにやるべきことを
(遊ぶときに遊ぶことなど)しっかりやっておかないと
後々に、子供に悪い影響が出ることを
しっかり認識しておかなければなりません。



みんな、興味本位で避妊なしのえっちはしないようにね☆