酒母とはその名の通り、酒の母であり酒造の主役である酵母のことです。
酵母は、麹が作った糖分をアルコールにかえてくれます。
したがって酒母がないと酒はつくれません。
しかし、酒母はどこにも売っていません。
いや正しくは協会酵母というものは売られているけれど、酒造免許がないと購入できないのです。
酵母は英語でいえばイーストなので、パンをつくるときによく使われるドライイーストのカメリアで酒造を試してみたけれど、なんだかパンの香りがする甘酒みたいなものができてしまいました。
パン用の酵母はアルコール耐性がないので、自身が作り出すアルコールで自分が死んでしまい、甘酒とどぶろくの中間でなおかつ香りがパン、という何だろこれ? たとえていうならフランケン酒?(たとえになってないけど)そんな怪物みたいな代物しかできないのですよ。
さて、酵母どうしましょ。
今後の可能性としては下記の3点があげられます。
1 空中を漂っている野生の酵母を拾って山廃造りにチャレンジ。
2 酒粕を買う。酒粕は日本酒の搾りかすだから酵母が生き残っているはず。それを培養する。
3 火入れしていない生酒から酵母を培養する。
1については、沖縄に漂っているのは泡盛の酵母の可能性が高いからちょっとおもしろそうだけど、時間的に難しいので今後の課題とし、2の酒粕と3の生酒の方向でいってみましょうか。
あちらこちらの酒屋で火入れをしていない生酒をさがしましたが「菊水ふなくち」以外のものは販売されていませんせした。
泡盛王国沖縄での日本酒探しは、ちときついものがありましたが、酒粕のほうはもっとハードルが高かったです。
スーパーの店員さんに聞いてみても、え、酒のかす? 泡盛のもろみとは違うね?と、にべもない。
まあ、日本酒の蔵がないからしかたないですよね。
それでもなんとかサンエー食品館で発見しました、酒粕。
うちに帰って、裏を見てびつくり!
さ、酒粕の小林!で、はるよし!
・・・これは珍事。いや、もはや神事。 やはり神はいました。
いそいそと培養テストへGO。
パイプを吸っていたころのスタンドが試験管にピッタリフィット
室温は25度、2日後で春吉に変化あり。シュワっと発泡確認。
湧いた、湧いた、酵母が湧いた。 万歳。
菊水のほうは4日たっても変化なし。 火入れをしていない、とうたってはいるが濾過されてしまって酵母は棲んでいないようですね。
ワタクシが東京で呑んでいた菊水は、酵母が生きてたので冷蔵庫で寝かせると次第に味が変化して楽しかったのだけれど、気温が高いと過発酵して缶が爆発する危険性があるから、離島向けのものは流通の事情で濾過されているんだろうと推察されます。
そんなこんなで、酵母「春吉」を砂糖水5%で培養しました。
増やした酵母でいよいよ(密造)酒造り開始っす。
がんばれ、はるよし(200ml)!
つぎは麹つくりへ
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