熊澤良尊の将棋駒三昧

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忘れえない映像

2011-04-19 05:50:29 | 文章
4月19日(火)、雨。

前にも書きましたが、我が工房にはラジオが5台。
あの部屋この部屋そして外でも、どこに居てもいつでもラジオが聴けるようにしています。
テレビと違う良さは、ラジオは仕事を妨げないというところです。

テレビの場合はそうはいきません。
テレビでも音声だけ聞くようにすれば同じように思うのですが、実際は違います。
音声は、あくまで断片的で、映像の補助の役割にすぎません。

しかし、テレビがラジオに勝ることも多いのは認めます。
「一見は百聞に如かず」の諺にもあるように、目から入った情報は中々消えません。
3月のあの日は、国会中継を聞いていました。
菅さんが、外国人からの百万円ほどの献金を追求されていた時です。
ラジオは「緊急地震情報」で「東北沖で地震」との切迫した音声に切り替わりました。

どうやら、稀に見る大地震。
漆を盛り上げていた手を止めて、ジイーッとしていると、数秒後に体で振動を感じました。
間もなくゆっくりとした揺れ。
これを700キロも離れている京都で感じたのだから普通ではないと直感。

2階に移ってテレビのスイッチを入れると、各局はリアルタイムで大地震の映像。
さすがNHKは、各地の様子を次々に映し出していて、これにチャンネルを固定。
25分後に、10メートルもの津波がやってくるという。
近年、稀に見る大津波らしい。

以下はその時のテレビの映像です。
ひょっとしたら、前にも書いたかもしれません。
それだけ忘れていないということ。

ーーーー

画面は、とある漁港の風景。駐車場には軽トラックや乗用車が数台。
その向こうの道路には、のんびりと車が通っている。いつもの風景だろう。
「大津波がやってくる。高いところに逃げなくては・・」と画面に向かって心で叫ぶ。
勿論、通じるべくもない。

画面はやがて仙台沖の太平洋。
沖合から幾本もの筋模様。
映像ではゆっくりと見えるが、相当な早さに違いない。
これが津波が押し寄せる姿なのだと知る。

ややあって、仙台平野の河口から1~2キロ遡った付近の景色。
だだっ広い平野に畑とビニールハウスが広がっている。
見ると、海に近いあたりに黒い津波の先端がハウスを飲み込みながら迫っている。
結構早い速度なのだ。

その先には幅広い川に掛かった高架橋と緩やかな取りつけ道路。辺りで、ここだけが高い。
その坂を乗用車が上る。頂上付近で「止まれ・・」と念ずるが、そのまま下って行く。「ああ」。
もう1台、大型トラックが坂を上ってくる。
津波が来ていることを知っているだろうか。
やがてスピードを緩め、川岸の頂上付近に停車。

間もなく津波の先端が、そのメイン道路の盛り土に達した。
どうなるかと見ていたら、行き所を失った大量の水は90度進行方向を変えた。
先端は滝のように畑地から低い川へ落ちてゆく。
津波は、川面より平らな陸地を進む方が早いと知った。

ヘリコプターからの画面はここで途切れた。
その後のことは分からない。
あの運転手は、無事なのか。
無事を祈るのみである。

ーーーー

今日の天気は、めまぐるしく変化。
朝、起きがけに晴れかと思えば雨音。
食事をして外に出ると透き通るような青空。
風が冷たく、外気温を確かめると10℃。
やがて太陽は雲隠れして寒風強し。
夕方には再び雨、そして雷。
風邪を引かないかと思いつつ、それでも一日中、外仕事でした。
只今19時過ぎ、寝ることにします。
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