先ほど、ある方からメールがあって、内容は「今、ヤフオクで不可思議な水無瀬書の駒が出ている。水無瀬神宮の朱印がついた駒箱(駒箱の中板)と、奉拝という言葉もあって、どういうものか分かれば教えてください」と言うものでした。
ヤフオクは明日終了のモノで、質問に対しては、私なりの解釈を次のように申し上げましたが、参考になればと、紹介することに致しました。
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送られてきた画像を見ました。
作者の「宗月」という人は、どんな人かは知りません。
駒の文字を見ると、本来の「水無瀬兼成」さんの筆跡ではなく、これは、巷で「水無瀬書」という銘で多く作られてきた文字です。
この書体は、本当の水無瀬とのつながりという点では、非常に怪しく、100年から120年くらい前の明治時代後期の頃に、にわかに現れた比較的新しく表れた文字で、それ以上には遡れない出所不明の駒文字であります。でも、これまでたくさん出廻ってきたので、多くの人は、これが本当の水無瀬の駒だと思い込んでいるのではないかと思っています。
因みに、それより以前の江戸時代では「兼成卿写」の銘が記された駒がありまして、これは水無瀬神宮ほかに遺された水無瀬兼成さんの筆跡に非常に近い書体で造られており、それは巷で作られている今回のヤフオクの「水無瀬書」とは全く違うものです。
ご質問の「奉拝」という言葉は、参拝、あるいは何かを献納したという意味で、その見返りとして、水無瀬の文字と朱印を入手したのではないかと思うのですが、真偽のほどは分かりかねます。
今度、水無瀬神宮に行きました時に、ヤフオクの画像を見せて、理由を聞いてみる価値はありそうで、勘ぐれば、この駒の関係者に、上手く利用されていた可能性も捨てきれないと思っています。
今度、水無瀬神宮に行きました時に、ヤフオクの画像を見せて、理由を聞いてみる価値はありそうで、勘ぐれば、この駒の関係者に、上手く利用されていた可能性も捨てきれないと思っています。