昨日の話ですが、午後、ある盤屋さんがやってこられました。
何でも、盤屋さんが長年持っていた良尊作駒(初期の原田泰夫書)をどなたかに買っていただいたとかで、平箱に小生の揮毫と署名が欲し言うことでした。
その店のHPには、長く、その駒の映像がアップされていたので、その駒だと分かったのですが、通常は、良尊駒には私なりの揮毫署名をした箱をつけているのですが、その駒を盤屋さんが下取りか何かで元の持ち主から買い受けたときには、どういう経緯かは全く分かりませんが、共箱では無く、別の平箱がついていたのだそうです。
それで昨日は、お客様から送られてきた駒につけていた平箱を持ってゆくとのことで、揮毫署名が欲しいと、その盤屋さんが来られたのでした。
持参された平箱を見ると、先ずはバカでかい(その平箱は私の平箱と比べると、厚みは3倍、タテヨコの面積は2倍で体積は6倍もある代物)、それに本体にはガラスの蓋がついていて、これを見た途端、私のわがままでしょうか「この駒箱は大仰過ぎて、私の感性には合いません。ましてやガラスの蓋は駒にとって最悪。良い箱とは思えませんので、これには揮毫署名はしたくありません」と、申し上げました。
そうです、ガラス付きの平箱は、販売店での展示用にのみに特化した箱なんです。ユーザーが下手に使っていると、ガラスのエッジで駒に取り返しがつかない深いキズが付く恐れもありますので、使わないで処分するのが良いでしょう。
そして、「丁度、原田先生が揮毫署名した直筆の新品の平箱が手元に一つだけ残っています。あの駒にはこれがベストだと思う。値段はコレコレ。お客様に、そのように提案してください」と申し上げました。
結果は、近く決まると思います。いかがでしょうか。
今日は、このような話でした。
コレも生来のへそ曲がりなんでしょうね。
よっぽど、「マアいいか」と思ったりしたのですが、変に妥協してしまうと、認めたことになってしまう。それではやっぱり面白くない、ダメだと思いました。
良い心がけだと思います。
その意気を通してください。