ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

わが糞闘記/part8

2007-05-11 17:19:28 | 日記・エッセイ・コラム

○月○日
      『勘ちがい』

お通じの後はケータイ用ビデにて洗浄してもらう。
ぬるま湯を入れた本体をぎゅっと握ると
ノズルの先から、しゅしゅしゅと湯が飛び出す。
オムツをずらしながら、おばちゃんはとても扱い上手。
入浴もシャワーさえも許されない患者にとっては
まさに天のたすけ。( 決して大げさではないのです )
ウオシュレットを使用した後のように清々と気持ちがいい。

今日はおばちゃんの家族に急病人が出たため、
急遽、付き添いが妻に替わる。

午後になって、もよおして来たので
急いで例の張り紙を廊下にだす。
またまた難産につづく大盛り・・・・・。
おばちゃんと同じ、手ぎわよく掻きだしてくれる。
ここ掘れワンワン・・・・・
なかなか上手、感心、感心。

すっかり空っぽになって
ひと仕事をなし終えた充足感と
無一物の爽快感にひたっていると突然、
ビデのノズルがぼくの出口の奥深くに侵入してきた。
全くの突然の出来事・・・・

〈 ナッ! 何すんだ、コノー! クッー! 〉

〈 ・・・・・・・?? 〉

おばちゃん、こっちも緊急事態だ!
早く帰ってきてくれー!

***
この回をもってシリーズ『わが糞闘記』を終了します。
     拙い内容にも拘わらずお付き合い頂き感謝します。


生きるとは、ときには汚れにまみれることも・・・。

さて、当病院はその後の国立病院統廃合計画のもとで
廃院となり、他市の施設に統合された。
役者のような名前のドクターは
その新しい病院の院長として迎え入れられ
今も熱心に患者たちと向き合っている。

たしかに時代遅れの病院ではあったが、
そこに関わっていた人たちの朴訥な笑顔が
懐かしく想い出される。
ありがとう!