立春にふさわしく
朝から暖かく三月並みの陽気、
買ったばかりの石油ストーブも今日は用無し。
「やいかがし」を作るために目ざしを焼く。
ヒイラギの枝にイワシの頭を刺し、勝手口の柱に飾る。
悪魔よけである。
目ざしの身はほぐして姫たちのおやつ。
午後四時、日が西に傾いたので
人の通らないのを見計らって往来へ豆をまく。
福は内! 鬼は外!
「アナウンサーでもやったことある?」
と、称賛されたほど
かつてはもっと透きとおったテノールであったが
この頃は森進一のようなダミ声になってしまった。
・・・・・・・「オフグロサンヨ、 フグハウヂ」
お浸しにと呉れし花菜を壷に挿す