「OFF」 にしたはずのニ階の暖房が
この頃たびたび回っていることがあって
ふしぎな思いをしていたが
今日、その原因を見つけて我が目を疑った。
シロだ!
シロがリモコンを押している!
ぼくのやることをじっと観察していたのだ。
誰もいないところで
同じことを真似ているうちに暖かい空気が出てきて
彼女はついに学習してしまったのだ。
窓のカギなどは
しっかり掛けておかないと簡単に開けられてしまう。
立ち上がり両手でカギをいじる姿は
もはや猫ではない。
これまでも何度も外へ遊びに出ていかれた。
ごく気分の良いときに限るが
朝、布団の上にのってきて「おはよう」と声掛けてくることもある。
ほんとに九官鳥のようにはっきりした発音で
「おぁよう! おぁよう!」 と。
ロクサーヌの方はそういうことに不器用で
ただ、シロの後ろにつづくだけである。
塔頭のごとし冬木の夜影かな