ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

饅頭ごときに

2012-02-01 13:12:16 | 日記・エッセイ・コラム

夕食後のドライブを兼ね
味噌饅頭を買いに車をとばす。
片道30分の距離だが
この店の味噌饅頭は格別である。

自動車のない昔なら徒歩で3時間かかる。
食べたいと思っても易々とは買いにいけない。
だから結局のところ
昔はやたらお金を使うことがなかった。
そんなにお金は必要ではなかったともいえる。

金! 金! 金!
右を向いても左を向いても
お金のかかる時代。
なにもかもがお金で計られる。
清貧などということばは既に死語となり
饅頭だって考えてみれば贅沢なこと。
我慢して寝てしまえばいいものを
わざわざ車をとばして・・・・

寒月を仰ぎながら
ふと自分の贅沢を省みることも。

かつてわがレストランのメニューに
継母の作るタンサン饅頭を載せたことがあり
主流のビーフシチューやピザと並び人気があった。
バッハのBGMと田舎饅頭のミスマッチが
客に喜ばれたのかも。

ところでこの頃見かけないが
かつては葬式饅頭という楕円形で
大ぶりの饅頭があった。
名前は不味そうだが
飯が炊きあがった時分に一緒に蒸らして熱々を。
これがまあ、意外に美味しい。
饅頭の底にくっついた飯粒が何とも滋味。

 まあまあまあ好きに生きよと冬の月