ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

順番

2012-02-18 11:49:11 | 日記・エッセイ・コラム

 「ナァ ナァ ナァ」
石塀の上で催促しているカラス。
 「うおーん うおーん」
八つ手の根元で地団太踏んでいる犬。
大きな器から美味しそうに湯気が立ちのぼり
猫たちがゆったりとアラを食べている。

カラスもタローもずっと待たされている。
うっかり近づこうものなら
たちまち鋭い猫パンチがとんでくる。

順番がある。
はじめはミルクとシャム。
つぎにネム。
いちばんあとになるのは
前足を失くしたゴンベエさん。

そうして猫たちが腹いっぱいになると
ようやくタローの番となる。
タローは大食い、
器は舐めたように空っぽ。
なかなかカラスまでは残らないので
塀の上からスキを狙っている。

それでもやさしいお婆さんが
追加のアラを出してくれることもあるので
こうして諦めずに待っている。
  「ナァ ナァ ナァ」

よく晴れてはいるが、雪の来そうな気配。