松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

素朴な疑問 -ゆるゆる医食同源-

2008-03-02 | 養生の栞-食・眠・動-
これまで食養生の基本的な考え方を
いくつか紹介してきましたが、
これらが現代にそのまま当てはまるかと言うと…
どうなんでしょう。

たとえば、身土不二という考え方。
現代は流通機構も品種改良も農法も漁法も
あらゆる面で人為的に管理(コントロール)が
可能になっています。
そのために季節感(旬)、地域の特産などが
どんどん曖昧になっていき
どこにいてもいつでも同じようなものを食する現象が
うまれています。

寒い地域でも南方系の作物がつくれたり店頭に並ぶことで
体を冷やす性質のものを摂取する機会が増えます。
暑い地域でも同様です。

ならば食性を意識して選べば大丈夫かといえば
昨今の品種改良によって、
こちらも怪しくなってきてはいないかと。
寒暖に関係なく育つということは
耐寒性や耐熱性を人為的に加えているわけですから。
これらを寒熱どちらとも言えず=平性としていけば
平性だらけに?
もともとが平性に属する食品がほとんどという傾向にあるので、
それでもよいのかもしれませんが。

正直なところ、だんだんわからなくなってきています。
こわいのは農薬や添加物ばかりではないのです。
自分の食しているものがだんだんわからなくなっている…。
これでいいのかな?

細分化し過ぎても均一化し過ぎても…なんだかな~。
適度に融通がきく、ゆるゆるな感じ(遊び)って
必要じゃないのかしらん



門外漢の食養生(4) -ゆるゆる医食同源-

2008-03-01 | 養生の栞-食・眠・動-
食養生の基本的な考え方をまとめると…

 ☆医食同源
医薬も食品もともに命を養い健康を保つためのものであり
その本質は同じです。

漢方の場合、薬の原料は天然のもの。
薬も食べものもともに自然のなかで育まれ生長してきたもの。
太陽や大地、海洋からのエネルギーや物質が凝縮されています。
その自然の恵みをいただいて日々の糧とするのが「食」、
病気を改善するのが「医」。


 ☆五味五色
中国では古代より万物を5つに分けて考える思想、
五行学説が浸透していました。
その考え方に基づき食べものも5つに分類されました。
五味は酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味であり
五色は青・赤・黄・白・黒です。
それぞれが五臓という機能大別に対応しています。
この5つを摂取すると体内の諸機能が潤滑に働きます。
未病や病気のときは弱っている機能を高めるものを食べます。


 ☆身土不二
身は人間のからだ、土は環境を意味します。
身土不二とは健康状態と環境は切っても切れない関係にある
ということです。
たとえば暑い地域と寒い地域とでは育つものが違い、
人間が口にする食べものも当然違ってきます。
土地のもの、旬のものを食べます。


 ☆一物全食
食材をまるごと全部食べることをいいます。
命にはひとつとして無駄なところはなく
生命に必要な素がすべて具わっているのです。
ひとつのいのち(一物)をすべていただくことが大切です。

たとえば小麦粉よりも全粒粉の方が、
同様に豆腐よりは納豆のように豆のままの方が
食品をまるごといただくということに近くなります。
魚類だったらジャコのような小魚や小エビなどを選ぶことも
一物全体という考え方にかなっているといえます。


 ☆食性
食べものにはそこに含まれている滋養分とは別に
それを食べることによって
身体が温まるか、冷えるかという性質があります。
それを食性といいます。
熱性・温性・平性・涼性・寒性の5つがあり
体調や環境によって食材を選ぶ目安にします。

とはいえ、たくさんの食品の食性を覚えるのはたいへん。
そこで食品が育った地域から食性を推測することができます。
つまり暑い地域で育ったものは体を冷やすものが
寒い地域で育ったものは体を温めるものが多いというものです。


    *  *  *  *
食事は自然界の気を取り入れて健康を維持し
病気を改善する営みです。
体質や体調、生活環境に合わせて食事が組み立てられれば
健やかな体質を維持することも
未病を癒すことも可能になってきます。


門外漢の食養生(3) -ゆるゆる医食同源【五味五色】-

2008-02-29 | 養生の栞-食・眠・動-
今回は五味五色についてです。

五味は酸・苦・甘・辛・鹹の5つの味覚を
五色は青・赤・黄・白・黒の5つの色をいいます。
(ここでは青はブルーではなくをイメージしてください)

 ☆五色に対応する食材の一例

 青(緑)…(体の調子をととのえる)ホウレン草 ブロッコリーなど
 赤…(血や肉をつくる)肉 ニンジン トマトなど
 黄…(体力を維持する)カボチャ サツマイモなど
 白…(体に抵抗力をつける)餅米 ダイコン カブ 白キクラゲなど
 黒…(ホルモンバランスをととのえる)黒豆 胡麻 黒キクラゲ ヒジキ 海苔など
  ※濃い紫などは黒に含めて考えたりするようです


すでに気づかれているかと思いますが、
五味五色は中国の五行理論に基づいた考え方です。
つまり五味五色は五臓それぞれに対応しているわけです。
ただし中医でいう五臓は臓器そのものを示すのではなく
広く機能としてとらえているところがありますので
その点は気をつけてください。


 ☆五臓と五味五色の配置表

 五 臓  五 味  五 色  (五 季)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  肝    酸    青     春
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  心    苦    赤     夏
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  脾    甘    黄    土 用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  肺    辛    白     秋
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  腎    鹹    黒     冬
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 配置表を見ればわかると思いますが、
 五色は季節を象徴するような色になっています。
 古人が自然観察によって導き出した結果ともいえそうですね。


さて、ここでちょっとオマケを…
日本食の定式といわれるのが五味五色五法です。
ここでも中医の五行理論が基本となっています。

 五味…酸 苦 甘 辛 鹹
    砂糖 塩 酢 醤油 辛(山葵 生姜 芥子)の調味料をさす場合もあり
 五色…青 赤 黄 白 黒

 五法…生 煮 焼 揚 蒸


これらを上手に組み合わせて
美味しいだけでなく栄養のバランスの取れた
目にも美しい日本料理が作られています。

高級料亭も我が家のふだん食も
基本は同じなんですよね。

門外漢の食養生(2) -ゆるゆる医食同源【四気五味】-

2008-02-28 | 養生の栞-食・眠・動-
中国では古来より食べ物が人体にどのように影響するのか
研究されていました。
食物の偏嗜や摂取の過不足による人体への影響や
食品がもつ効用を利用して疾病や保健に役立たせようとして
医療と食餌(病気の治療に役立てるための食べ物)が
深く関わりあってきた歴史を医食同源という言葉が
物語っているかのようです。
そしてまた私達が慣れ親しんでいる中華料理の原点とも
言えるのではないでしょうか。

そこで医食同源を考える上で欠かせないのが
四気五味(しきごみ)という中医理論です。
四気五味というのは漢方で使われる生薬の性質のことをいい、
生薬にはそれぞれ薬性と薬味があり、それぞれの効能を発揮します。
そして食材となる食品もまた生薬と同様に薬性薬味があり
それぞれの効能があると考えられています。


四気(四性と呼ぶこともある)とは
寒・熱・温・涼の4つの性質をいいます。
食した後に温熱感が生じるものは温性・熱性
反対に寒涼感が生じるものは涼性・寒性となります。

温と熱、涼と寒は程度の違いで、
熱性の小さいものが温性、寒性の小さいものが涼性です。

また温熱か涼寒かあまりハッキリしないものを
平性と呼びます。
実際には温か涼に偏る傾向にあるので
五気とは言わずに四気と呼んでいるみたいです。
あるいは四気(五性)と記載されているのも見かけます。

五味とは酸・苦・甘・辛・鹹の5つの味覚をいいます。
これは食材となる食品が本来持っている味のことで
すっぱい・にがい・あまい・からい・しおからい の5つです。
これにを加えることもありますが、
淡は甘みに含むとする場合が多いようです。

五味のそれぞれの効能は
 酸…収(おさめる)渋(とどめる)
 苦…瀉(とる・排泄する)燥(かわかす)
 甘…補(おぎなう)緩(急変を緩解する)
 辛…散(ちらす)行(めぐらせる)
 鹹…下(排泄する)軟(やわらかくする) となります。


以上のように、食材となる食品には
摂取によって身体を温める働き、冷やす働きの強弱があり
またその固有の味覚によって、それぞれ身体に異なる作用を起こすので
体質や心身の状態によって摂取の仕方を考えます。


☆食材による寒熱効用例

 熱性食材(体を温める効果があるもの)
   ニンニク 山椒 胡椒 唐辛子 芥子 酒 ニラ 葱
   ラッキョウ 胡椒 人参 南瓜 春菊 蕗・山菜類
   羊肉 鶏肉 クルミ 栗 餅 牡蠣 ナマコ マグロ
   タイ ウナギ サケ ブリ など


 寒性食材(体を冷やす効果があるもの)
   ユズ レモン ミカン 梨 ビワ リンゴ 西瓜
   トマト バナナ パイン
   アスパラガス セロリ 苦瓜 カブ ホウレンソウ
   ゴボウ キュウリ ナス アワビ ウニ タコ
   アサリ 昆布 ハマグリ 味噌 塩 など



☆四気五味による分類例

      熱・温性         平性           涼・寒性
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 酸味   梅 桃 杏    ブドウ 李(プルーン)   ビワ トマト ユズ
      米酢 ザクロ   黒酢 レモン ヨーグルト      梨 ミカン
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 苦味  蕗 ヨモギ 山菜       ギンナン          苦瓜  茶
     ラッキョウ 春菊                ホウレン草  ビール
     酒                       セロリ ゴボウ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 甘味  ナマコ 牡蠣 餅   うるち米         リンゴ スイカ キュウリ
     ニラ 胡桃 羊肉   胡麻 大豆 小豆     小麦 セリ モヤシ ナス
        エビ 鶏肉   黒豆 山芋 甘藷     ホウレン草  冬瓜  筍
      栗 フグ 鰻    ジャガイモ 蚕豆     ゴボウ  ハトムギ 大麦
       鮪 鯛 赤貝   ユリ根 落花生      蕎麦  トマト
     酒     南瓜   蓮根 白菜 小松菜    アスパラガス  バナナ
           人参   イチジク イチゴ     アワビ ウニ タコ カニ
                牛乳 ハチミツ 黒酢   トウモロコシ
                牛肉 鶏卵 鰻 ヒラメ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 辛味  ニンニク 韮 葱   タマネギ         カブ
     唐辛子 芥子 紫蘇  春菊
         ラッキョウ    大根 サトイモ    大根(夏)   ミョウガ
     山葵 生姜 パセリ
     山椒 胡椒
     酒
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 鹹味  ナマコ エビ 大麦        醤油 鮑   麦芽 味噌      塩
                  イカ シジミ 豚肉  アサリ ハマグリ 昆布
          栗 青魚      ヒジキ ワカメ       カニ
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門外漢の食養生(1) -ゆるゆる医食同源-

2008-02-26 | 養生の栞-食・眠・動-
食養生といえばすぐに薬膳が浮かぶ人も
少なくないでしょうね。
でもそんな大層なことを考えなくても
日々の食事に手軽にいかせます。

医食同源ということばは
どなたにとってもなじみあるものかと思います。
医食同源とは食は心身の衰えを補い
健やかな状態を維持するものであるとし、
それはまた医にも通じる(ほど大切=おろそかにはできない)ものだ
ということなのでしょう。

したがって食養生は
特別な食材を用いて調理するのではなく、
身近で手頃な食材を使って調理する「ふだん食」であり
きょうからでも無理なく始められるものです。

ポイントとなるのは組み合わせ方。
性質によって分けられたグループの中から
季節や体調に合わせて
食材や調理法(味つけなど)を選ぶことになります。


男性は8の倍数で変動するらしい

2007-10-05 | 養生の栞-食・眠・動-
男性の場合も調べてみました。
男性の場合はどうやら8の倍数が変動期の目安となるようです。
つまり8歳、16歳、24歳、32歳、40歳、48歳、56歳…というふうに
8年ごとに体が変化すると考えられます。

16歳で思春期を迎え、
24歳で成長のピークを迎えて
40歳前まではピークが続き、
40歳を過ぎる頃から性機能の衰えが始まり(老化が始まり)、
48歳前後から排尿機能が衰えてきます。
そして疲労回復力が落ちたり
精神的に不安定になってイライラしたり
神経質になったり心理的変化が重なってきます。

男性にとって老化の第一段階にあたる性機能の衰えは
心理的に受け容れがたいものらしく、
たいていの人は第2段階にあたる排尿機能の衰えをもって
老化を意識し出すそうです。
男性の更年期のはじまりですね。

女性とは異なり
閉経のような明確な変化のサインが男性にはありません。
しかも男性更年期という認識が広がり始めたのも最近のことです。
心身に症状が表れていても本人が自覚しにくいことがあります。
さらに年齢的にも社会からも家庭からも
ストレスを受けやすい立場におかれる時期ですから
心理的にも不安定になりやすくなります。

性別にかかわりなく更年期という時期は必ず訪れますが、
症状は人それぞれです。
必ずしも更年期=更年期障害ということではありません。
まずは更年期を正しく理解し受けいれることでしょうか。
更年期は変動期であり不安定な時期であるのは当然。
この時期の不調は一時的なもので、
かならず回復するという認識を持ち、
この時期なりの過ごし方をしていくことなのかもしれませんね。

社会的にも責任ある立場だったり
家庭を切り盛りしたりは大変ですけれども、
できないときがあって当たり前ですから。
いままで難なくできたことが
「あれ? どうして?」って思うことが出てきたりしても、
ちっとも変なことじゃない。
ちょっとショックはあるけれど自然なことなんだと。
そういう新しい思考回路を自分の中に作り上げていく時期なんですね。

女性は7の倍数で体が変化するという考え方

2007-10-02 | 養生の栞-食・眠・動-
中医による考え方によりますと、
女性は7の倍数で変動期を迎えるらしいです。
つまり7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳…ということですね。
14歳で初潮を迎え、
21歳で身長が止まり、
28歳で身体および性機能のピークを迎え、
35歳頃から髪や肌のハリや艶などに明らかな変化が出はじめ、
42歳からは白髪などが目立ってきて、
49歳になると閉経が近づいてきます。
そして閉経を迎えて徐々に老化していくというサイクルです。

もちろん現代の生活様式はかなり変わってきていますし、
個人差があることですから、
これらはあくまでも目安ということです。
それでも大まかなライフサイクルとしては
自然な印象をもちませんか?
昔の人って、どうしてこういうことを導き出せたのでしょう。
おそらく自然に限らずあらゆる物事をよく観察していたのでしょうね。

ところで、基礎体温を測っている女性が
どのくらいいるのかわかりませんが、
これは習慣にしておいた方がいいみたいです。
記録をつけている期間が長くなるほどに
自分の体の変化がわかってきます。
歳を重ねるというのは
一日ごとの積み重ねであることを実感します。
こればかりは避けては通れないものなんですよね。
だからこそ無駄に抗わず
うまく折り合っていけるようにしたいのはやまやまなんですが、
どうしてもまだ受けいれがたいと思っちゃう
愚かな自分がいたりして…

人生のスパイスを上手に使いこなす

2007-07-19 | 養生の栞-食・眠・動-
相変わらず体調がイマイチ続きの日々ですが、
心理面はだいぶ落ち着いてきています。
そこで先月の状況を振り返ってみることにしました。

やはり友達の死がいちばんつらかったと思います。
ですがこれは単なるきっかけと
なったにすぎないような気もしています。
それ以前から
ずっと潜在的に考え続けていたことがあったり、
漠然とした不安があったことも
思い出しました。
この漠然とした感情がくせものなんです。


以前も紹介したのですが、
病気の原因のひとつとされる七情
七情の調整ができれば
病いから縁遠くなると考えてもいいほど、
体に与える影響は大きいのです。

今回の私の場合で考えてみると、
直接的な出来事によって引き起こされた感情として、
驚き(驚)悲しみ(悲)が、
そして以前から引きずっていた感情として、
憂い(憂鬱)思い(思慮)などが
当てはまりそうです。

驚き(驚)というのは強い感情のようですが、
割合い短時間で収まる傾向にあります。
その一方で、
悲しみ(悲)や憂い(憂鬱)思い(思慮)というのは
じわじわと忍び寄ってくる感じで、
時間的にも長期に渡って引きずる傾向があり、
その分ダメージが強くなりやすいです。

憂い(憂鬱)
心が鬱々として沈みがちで楽しめません。
したがって過度の憂いは気を縮めてしまいますので、
気をつかさどるが傷ついてしまい、
さらにまでも傷めることになります。

また、思い(思慮)とは
意志の力で考えることを広くさします。
過度に思い悩んだり,
焦ったり不安になったりすれば
もふさぎ込んでしまい
を傷めることになります。

悲しみ(悲)は哀切であり
苦しさから生まれる感情です。
生きる気力を失わせるような過度の悲しみ(悲)は
憂いと同じように
を傷つけにも影響を及ぼすこともあります。

驚き(驚)は一時的なものですが、
不意にある局面に遭遇し
精神に過度の緊張が起こることで生まれる感情です。
神気が乱されて感情が不安定になりやすい。
を傷つけます。

以上、4つだけみてきたわけですけども、
それでもほぼ全身に影響が出ているような気がしてきません?
ごく普通の喜怒哀楽といった感情が
体とこんなにも密接に関わっているとは
なかなか思いませんよね。


気をつけてほしいのは、
感情表現がよくないというのではないのです。
極端な感情表現を控えること、
特定の感情をいつまでもひきずらないことです。

豊かな感情表現は
生きていく上でのスパイスじゃないかしらん

だったら、なるべく上手な使い方を研究してみるのも
いいんじゃないのかなぁ。

養生で心がけたいこと その4

2007-06-02 | 養生の栞-食・眠・動-
  体の声をきいて、自然にバランスをとろうとする体の力をいかす

体はもともと自然治癒という力を持っています。
たとえば中医の健康観には
自然界と人間とを一体のものとして観るところがあります。
これは「自然の中に人がいて、人の中に自然がある
という考え方ともいえます。
それは単に人間が自然環境の影響を受ける
というだけではなく、
自然界で通用している原理や法則が
人間にも当てはまる
と考えているということです。

自然治癒という力についても、
病気の状態から
自力で回復させて健康状態に戻るために働いている
と考えるよりは、
病気にまでいたらないようにしようとして働く力
と考えた方がいいのではないかと思います。

体のバランス回復力とでもいうのでしょうか。
たとえば病気にならないまでも、
好不調の波を感じることは誰にでもあるかと思います。
しかも好調のときは
体のことをいちいち気にしていないのが普通ですよね。
とりたてて気にならない好調のとき、
つまりバランスがうまく整っている状態を
支えているのも
自然治癒の力が働いている
と考えることもできるのではないかと。

バランスがうまく整えられなくなってくると、
少しずつ不調の感覚が出てきます。
自然治癒力が
このままの状態が続くとまずいという信号を
送っているとも言えそうですね。

この信号を感じ取ることが
俗に言う「体の声をきく」というものか
とも思うのです。
体の声をきいて
なるべく体の要求に合わせて生活することを
心がけるようにすれば、
体のバランス回復力を維持することにもなります。

いつもの習慣に合わせた
規則正しい生活リズムだけがすべてではありません。
ときに眠ければ眠り
食欲がなければ食べない
喉が渇かなければ飲まない
疲れれば休む
というような気持ちを持つことも大事です
(ただしそこにも節度と注意が必要です。
いくら体がバランス回復力を持っているとはいっても、
体の状態がそれなりに健康であることが前提となるからです)。

自然にバランスをとろうとする
体の力をいかすためにも、
体の声をきくことは大切になってくるかと思います。

養生で心がけたいこと その3

2007-06-01 | 養生の栞-食・眠・動-
  何事も行き過ぎた状態を避ける

よく「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますが、
これはバランスが大切という意味かと思います。
どんなに良いとされることでも
そればかりであれば、いずれ弊害が出てきます。
バランスをとるというのは
偏りを避けようとすることです。

運動がどんなに良いとはいっても
疲労が残るほどやり過ぎてしまえば、
健康という概念からは
体に毒ということになってしまいます。
良かれと思ったことが
体に悪い結果となってしまったら
皮肉以外の何ものでもありませんよね。

飲食についても同じことがいえます。
暴飲暴食は勿論ですが、
いつも同じ傾向のものを食べるような偏り方も
体の中に“静止しやすい”状態を
つくり出すことになります。

たとえ体にいいとされるようなものでも
そればかりを摂取し続けていれば、
やがては過剰となって
体に弊害を招くようになります。

とりたてて特別な健康食品を摂取していなくとも、
毎日無意識に取っている飲食物の中にだって
体のバランスを崩す原因となるものが
あるかもしれません。
ときどきチェックしてみるのも
いいかもしれませんね。

悪いことを避けるのは当然ですが、
良いとされることでも
行き過ぎてしまえば毒となる。
あらゆる行き過ぎを避ける、
偏りを避けるように
心がけることが大切になってきます。