ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

石油業界の本音と建前

2006年12月12日 10時43分18秒 | Weblog
昔から論議されてきた事ですが、石油業界における「系列」とはFCなのか?
各企業の独自性と尊厳を基調とした経営スタンスでの協調が基本なのか?
それぞれの立場や時節によりこの問題はウヤムヤにされ、元売、特約店、販売店それぞれの立場で時々の都合のよい解釈がなされてきた経緯があります。

曖昧なのが、石油業界のよいところだったのでしょう。

利益が出る環境の時には「皆で乾杯」
利益が出ない時には誰かのせいにして険悪な忘年会なんてこともありました。

最近になって石油業界のビジネススタンスの矛盾がより表面化してきたようです。

これからの年末年始、系列の忘年会や賀詞交換会などが頻繁に開催される事でしょう。元売の社長は特約店主に各支店長は特約店下の販売店をまえにして、厳しい経営環境下での「共存共栄」や「皆で力をあわせて協力」などと毎年相も変らぬ建前のご挨拶をする事でしょう。

はっきり言って、リテールである販売店の社長さんは普段から現場の先頭に立ってお客様と向き合い本音で真剣に仕事をしている方が多いのです。地方などでは情報も少ないですし都内のホテルなどで開催されるパーティーへの出席なんて年に数度の大イベントなのです。真剣に真面目にご挨拶を受け入れます。例え、元売関係者の言葉が「建前」であったとしてもです。

少ない元売との接触の機会ですから建前の言葉でも本気で真剣に聞きます。会議慣れして体裁のよい言葉で当座の格好をつける元売スタッフとは違います。本気で共存共栄を考えています。自分が永年取り扱ってきた「ブランド」を本当に愛していらっしゃる方が多いのです。地元では彼らがブランドを代表する『顔』であり一国一城の主なのです。ですから建前通りに言葉を受取り元売担当者の言葉や行動、流通に矛盾があれば必ず喰いつきます。当然の事です。

私自信も若い頃は『サブ店』の専務でした。あの頃はまだ門型洗車機もなくてスプレー式の洗車機でしたからふき取りは全てプラスセームだったのです。手が荒れて彼女とデートする日にはいくら洗っても爪の先の汚れまで落ちなくて困ったものでした。
傘下に販売店を持つ身となり、忘年会などでお酌に回った際にビールのコップを持った販売店の社長様の手の汚れやアカギレをみて本当に苦労しているのだなと感じました。感動したものです。「俺も頑張ろう!」と勇気付けられたものです。

石油流通業界に生きていれば誰でも、それぞれ本音では『格差』を感じているはずです。ある意味で認めてもいるのです。いかに、元売の幹部と言えども「サラリーマン」です。その場での課題を何とか無難に避けたい気持は理解できます。しかし、販売店の社長は立場としては不動なのです。

最近石油業界の掲示板などを見ていると仕切り調達価格についての「格差」を不平等と感じているような若手経営者の書き込みが増えているような気がします。

一概に時代は変わった。といいますが、現在の石油業界では若手経営者のほうが自主性に乏しく小さな枠に収まっていると感じているのは私だけなのでしょうか?

現状に対して不満もあるでしょう。
しかし、当面はとにかく販売力をつけましょう。経営力も強化しましょう。
それから物を言いましょう。
そしたら、いまは空に輝く「系列」も貴方の意見を拝聴するようになるはずです。

確かに、胸に大きなリボンなどをつけた経営力もない特約店の社長がでかい顔をして水割りのグラスを手にしながら、胸を張ってぶらぶらしているパーティーなんて若手経営者からみたら胸が悪くなります。気持はわかります。

あの頃は、若かった・
あの頃同系列の販売店の仲間であったS石油のS社長と某系列の忘年会か新年会が開催された温泉場のホテルのロビーで腕枕をしながら二人して熱く語り合ったものです。あれから数十年・・・

彼は、いまでは独立系の旗手として頑張っています。
私も、石油業界の片隅でまだ生きています。
いつのまにか、石油業界人にドップリと浸かって生きています。
失敗したり、成功したり、不思議な人生です。

少し厳しい意見ですが、誰かが言わなくてはならないこともあるでしょう。

頑張りましょう。今年の灯油で結果を出しましょう。

いつかは、あんたが大将です。

経営力の充実

2006年12月12日 06時58分55秒 | Weblog
今年もあと二週間あまりとなりました。
ここ数年、色々な試練を経て「雪ん子」も私自身も大きく変わりました。

一昨年は石油とは全く関係のない業種のソリューション開発と病気の母の入院看病が重なり年末から正月まで病院の母のベッドの傍で寝ながら開発作業をしていました。

昨年末は、そのコンテンツ開発から始まるプロジェクトの開発努力が水泡に帰すような事態が発生、時間と労力、資金面でも大損害をこうむりました。

我々の業種では当然「時間」と「労力」が全て「資金」に直結します。

その上、昨年度は営業活動の基本体制が乱れ、その後のリカバリーに大変な苦労を強いられるという厳しい年でした。

今シーズンは4月末から本来の営業ペースを見直して基本から再構築。開発、営業からサポート体制まで全ての業務で自らの考え方と機動力の向上をはかり非常に短期間で結果を出す事ができました。
自分の力を信じて努力する事の大切さを痛切に感じた一年間でした。

反省すべき点も多かったわけですが、関係スタッフの努力と協力には深く感謝しています。大きな山を乗り越えて企業としても本物の力をつけたと感じています。

来年にむけてさらに機動力の向上を計り結果をだせる環境が整ったような気がしています。