ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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灯油ビジネスと天気予報

2006年12月17日 09時23分39秒 | Weblog
元売、商社の需給担当やJOTの出荷担当者は毎日天気予報とにらめっこです。
天気予報も最近ではより正確な情報を取得するためには「有料」なのだそうです。

当たり前のことですが、灯油の出荷は気温や気候によって大幅に増減します。
急激な需給変動により、市場に在庫玉があっても物理的な条件で流通が追いつかない場合もあります。販売業者は敏感です。受注が集中することで出荷の遅れや規制などが掛かるとさらに反応して一気に受注が集中する事もあります。

エルニーニョ現象などで最近の気温予測は非常に予測が難しいようです。

経済界の消費動向調査では当然四季の気温が明確な年ほど売上は順調なのです。アパレル業界なども暖冬だと、正月明けから冬物商品のバーゲンが開始されるとのことですから大変なのです。

アパレル業界などでは流行と言うものがあり「売れ残り」とさらに不良在庫になってしまいます。食品業界でも販売動向に大きな影響があるのです。どんな商売でも大変なのです。

石油製品は腐らないし流行もありません。しかしリスクが少ない分だけ「利幅」が薄くなるわけです。

リスクが低くて、利幅の大きい商売なんてそんなに都合の良い商売は少ないものです。

実は今年の灯油ビジネスは配送体制が整備されている企業にとっては例年になく安定収益が確保できる状況となっています。この状況は来年以降も確実に定着する見通しです。冬場の灯油ビジネスが石油業界の収益の機軸になるはずです。

各社の政策商品としての強みが浮き彫りになっています。

大手ディラーや元売販社による灯油を起点とする「顧客囲い込み戦略」はセルフ化やSSの絶対数の減少と共に確実にしかも急速に進行しています。

販売店レベルが当座の灯油業転市況で右往左往している間にさらに収益格差が拡大しています。灯油マーケットでは既に「販売力」と「決済能力」による収益結果が問われる時代に入りました。

販売力もない業者が仕入れの業転市況の話題ばかりで騒いでみてもどうにもなりません。まず、販売力自体がそれぞれの仕入れ調達能力となってしまった現実をよく見極める必要がありそうです。

供給先から見たら安定した「灯油販売力」を保持している業者に対する優先供給は当然です。系列と業転を都合よく使い分ける事ができる業者とはそれなりの「販売力・決済力」のある業者であるべきなのでしょう。

厳しい資本主義経済の現実です。

よく考えれば、当然の事ですね。