ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

ガソリン税再可決方針…首相が月末に説明、 やはり予想通り

2008年03月27日 11時53分07秒 | Weblog
直近の報道では

政府・与党は26日、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など税制関連法案が年度内に成立しない場合、衆院で再可決し成立を図る方針を固めた。
 福田首相は年度末に記者会見し、こうした考えを説明する。再可決は4月末になる見通しで、ガソリン価格が4月初めにいったん下がっても1か月後には元の水準に戻し、国や地方自治体の財政に与える影響を最小限に抑える狙いだ。
 この問題では、新潟県で暫定税率の期限切れに伴う財源不足に備え、道路整備事業の入札実施を保留するなど、地方財政への影響がすでに出始めている。暫定税率の失効により、ガソリンの場合、上乗せされたガソリン税(揮発油税と地方道路税)の分、1リットルあたり25・1円安くなる。4月1日からの値下げを明言するガソリンスタンドもあり、国民生活への影響が懸念される事態となっている。このため、首相としては、再可決の方針を示すことで、価格がいずれ元の水準に戻ることを事前に説明し、混乱の広がりを抑えたい考えだ。

との報道です。

やはり、今のままでは暫定税率撤廃によるガソリン値下げは一時的なものになる可能性が大きいようですね。
たった一ヶ月間の間に減税したり、増税したり。
事態は石油業界にとって懸念されていた方向に進んでいるようです。

色々な見解がありますが、はっきりしていることは今回の一連の動きは石油業界内にはかなりの混乱が発生することになるということでしょう。

国家としての税金問題での混乱の広がりはなんとかなりそうですが、
石油業界の課題としては対応のための混乱が確実に拡大しそうです。

見解はまさに百家争鳴といったところなのですが、どんなことになるのやら、、

しかし、今迄石油業界がアピールしてきた揮発油税論議が、思いもかけないところで国民の間で活発化してきておりとてもこのまま順調に推移するとも思えません。

メディアでは国交省や道路公団職員の揮発油税流用や無駄遣いなどについて毎日報道していますし、政治の混乱と身近な税制問題とあいまって、日本国中が騒がしくなるはずです。

当然、選挙にも大きな影響を及ぼすことになるのでしょう。福田総理の政治手腕と英断に期待するばかりです。

ところで、今回の事態により、改めて石油ビジネスにおける「流通管理システム」の重要性と必要性が見直されています。

単に、売上計上して「請求書発行」を行うだけの旧態然とした勘定系のみのシステムと、最新のERP系の基幹業務統合系システムを駆使した流通管理システムを構築済みの企業では大きな経営格差が出ていることが明白になっています。

油外収益向上のための各種店頭販売オペレーションよりも、やはり経営の根幹をなす基幹システムの見直しが開始されています。

もはや、石油業界における経営格差は明白になりつつあります。
今回の暫定税率問題で経営課題が一気に露呈してきたように感じています。

すでにその事に気付いている企業経営者が勝ち残ることになるのでしょう。

やはり、事は予想通りに進んでいます。

揮発油税暫定税率撤廃 「その先」に予測される事

2008年03月27日 09時43分44秒 | Weblog
少しばかり、先走った予測をしてみますと。

現在の状況を鑑みて、暫定税率撤廃が一時的なものだと仮定すると次には当然税額分の再値上げが待っているはずです。

今回の混乱の先には全く「逆」の流通の混乱が発生する事になるのかも知れません。
すなわち、自社で貯蔵施設を保有可能な企業では、増税前に減税分の安い課税額のガソリンを大量在庫することにより膨大な収益確保が可能となるはずです。

現在では、うがった見方かもしれませんが、今回の在庫に対する国の税制対応を考慮すると、「逆もまた真なり」という理屈が全く正論となるはずなのです。

SS在庫しか持たない一般SS業者から見たら、不公平だという意見が出るかもしれません。しかし、よく考えればもし今回在庫に税金の被りが発生したとしてもSS在庫しか持たない業者は損害も「それなり」ということになるはずです。
大型貯蔵施設を保有している企業は平時から安定供給のために「それなり」の設備投資をしてきたわけで、それなりのインセンティブを保有しているということでコストも掛けてきたわけですから当然の優位性を持つということにすぎません。

その際には特徴業者は「未課税軽油」を在庫しても意味がありませんから、ガソリンに集中して在庫を保有するということになるはずで、ガソリンの貯蔵在庫を増やすための仮需要が発生して「ガソリン高」の「軽油安」という事態も予想されますね。

これは、現在ではまだ、あくまでも私個人の「先走り」の予測私見です。
しかし、絶無とは言えないわけです。

税制をうまく利用して膨大な利益を上げる企業が出てくるはずです。

ローリー運賃やタンクチャージ料も急上昇するはずです。
とにかく、大量在庫できる施設を持っている企業は有利な展開となるはずです。
今から、タンクチャージの予約を入れておいても利益が出せるのかもしれませんね。

まさに、石油ビジネスには格差の時代が到来しそうです。
過激な価格戦略による「生き残り競争」の時代から有力業者によるマーケット占有の戦略スピートが一気に加速される時代になりそうです。


お気楽に書いてしまいましたが、問題はまだまだあります。
異論があっても、何かの参考にしてください。
予測が当たれば、ラッキー程度でも結構です。

現状をよく分析しながら「次」に来る変化を先取りできたら、今回の事態をビジネスチャンスとする企業も多いわけです。

負け組は相変わらず目先の「業転市況の仕入価格」だけに目が行っています。
しかし、これも当座の生き残り商法としては大切なことなのです。

大切なのは「着眼大局 着手小局」ですね。

揮発油税と軽油税、 税制度が生む企業格差

2008年03月27日 06時33分47秒 | Weblog
消費税との二重課税になっている揮発油税について、
軽油税のような地方税制にしたほうが良いという意見が一部で以前からありました。

今回の暫定税率問題が急浮上してから改めて考えてみると同感ですね、現在問題となっている「蔵出し税」であるガソリンの流通在庫商品に関する課税措置は全く不明朗ですね。

現状の動向では、
「蔵出し税」である元売りが在庫している二次基地等のガソリンも当然暫定税率撤廃前に出荷されており減税されていないはずですから流通在庫が無くなるまで税額値引きをしない方針となるはずです。となれば、4月1日からの即日仕切り値下げはできないということになりそうです。

元売りは流通在庫分の税額還付を受けない代わりに、在庫分については減税前の課税済み価格での出荷を行うことになるはずです、当然販売業者の在庫に関する還付も行われないと想定すべきでしょう。

ガソリンの流通はかなりタイトになるはずです。
業転玉などは一時的にゼロになるのかも知れません。

しかし、問題は暫定税率撤廃後の商品流通が復旧する時でしょう。
暫定税率撤廃商品が出荷開始される時点での中間流通業者の段階で一時的にいろいろな操作が為される可能性があります。

たとえば、業転玉が極端にタイトになった場合、新たな減税ガソリンでも旧税制価格で出荷したら大きな利益が生まれます。そこまでガソリン流通がタイトになるのかどうか現状では誰にも予測はできませんが可能性としては絶対に無いとは言い切れないでしょう。

世の中には頭の良い方がいらっしゃいます。その他にも「裏ワザ」はいくつも想定できます。

一方、「地方税」である軽油は「特別徴収義務者」であれば「店頭課税」ですから即時の減税対応が可能です。
その代り、特別徴収義務者としての流通管理と毎月の「納税帳票作成管理」作成作業が必要となります。

特別徴収義務者には納税に伴う手数料収入があります。
たとえ、「欠減」を伴わない商流の流通でも1%の「欠減補助」までついているわけですから、納税額の約4%弱の手数料収入が収益となるはずです。(都道府県別に若干の格差があります)

今回、特別徴収義務者の販売する「軽油」だけは、4月1日より全く公平明瞭に消費者に対して税制対応が可能なのです。
流通対応としては全く正しい対応が図られるわけですから、国の税制としては公平性の面からも一番好ましいと考えるべきです。

「軽油」は地方税なので「不正商品(脱税軽油)」が存在するという意見もあります。しかし、それはガソリンでも同様の事が発生する可能性もあるはずです。

今回の暫定税率撤廃問題は、石油関係だけでなく色々なビジネスにも関係しているわけですし、稀有のことですからまだまだ流動的で見えてこない部分も多いわけで想定外の事項も多く発生するものと思われます。推移を冷静に見極める必要がありそうですね。

私は、軽油税納税管理システム「D-TAX」を開発しパッケージのソリューションとして日本で最初に販売を開始しました。
石油業界に共通する流通データベースとしての運用も可能です。

所轄納税事務所に対する流通データの「電子申告」も可能なのです。
この際、石油業界共通の流通データベースの構築を進めるべきだと提案してみたいと考えています。

そうなれば、複雑な納税処理も簡素化されます。
不正軽油の流通ども完全にカバーできます。

そのため、全国3000社の主たる石油販売業者の皆様に向けて、資料送付とシステム情報を発信させていただきました。

是非、ご笑納ください。
一読されて、ご興味をお持ちになりましたら、
お気軽にプレゼンテーションなどお申し付けください。

よろしくお願いを申しあげます。