ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

揮発油暫定税率撤廃ですでに課税済みの流通在庫の税金分は、一体誰が負担するのか?

2008年03月28日 16時04分28秒 | Weblog
揮発油税暫定税率撤廃問題で、アクセスが増えております。
私の思い違いの書き込みや情報不足がございましたらお許しください。
何しろ情報が錯綜しておりまして、何がどうなっているのやら・・・

①.一部元売りでは4月1日以降の出荷分については暫定税率分を値引きして出荷するとかいう情報もあります。

②.また、ほかの元売りでは、二次基地からの出荷などは課税済みのため在庫が終わるまで「課税済み出荷」となる。

③.精製施設から蔵出し出荷される製品のみは4月1日から減税商品で油槽所などの二次基地から出荷されたら流通在庫であるから「課税済み」のはず・・・

④.当面どうなるか分からない、現状では課税状況による仕入価格に応じて販売価格を設定する。

⑤.業界では厳しい競争が続く。原油価格の上昇分さえ十分に価格転嫁できなかっただけに、ただちに大幅値引きには踏み切らないとの見方が強い。ただ、赤字覚悟で値下げする給油所もゼロとはいえない。値下げするか、在庫が入れ替わるまで従来価格を維持するかは各店の経営判断となる。(報道抜粋)

⑥.すでに民主党は21日、暫定税率が切れた場合の現場の混乱を避けるため、「ガソリンスタンド対策法案」を参院に提出した。3月末までに仕入れた在庫のガソリンを4月以降に販売する場合、一度石油元売り会社に戻し、4月以後に改めて「蔵出し」する書面操作を実施することで税を還付する。還付総額は数百億円と想定している。
(報道抜粋)

などなど、情報は大混乱の様相です。

問題は、SS在庫を含む蔵出し課税済みの「流通在庫」に関する課税金額を流通のどこの部分が負担するかということに尽きるのでしょうか。

それにしても、仮にSS在庫分は各SSが負担するとしても、何時から、どの入荷から減税分となるのかが問題となってくるようです。
それを、誰がどのように判定して決定するのかも大きな問題です。

それなら、以前の暫定税率設定の時のように所轄官庁が各業者の「実在庫」を確認したほうが現実的ですね。

一番分かり易いのは、「元売り在庫」として存在している「流通在庫商品」については、国か元売りが負担すべきなのですね、
そうなれば4月1日以降に特約店や販売店に納入される商品の課税撤廃の価格対応のタイミングも一致するはずです。

もしくは、末端業者が当面SS在庫の被り分だけ負担するとして、4月1日から値下げしても、来月から値上げとなれば4月末在庫を積み上げれば何とかなりそうな気がします。しかし、それはいかにも曖昧な措置のような気がします。

税の公平性を考えると、民主党案も正しいのではないかと思われます。

ようやく論議が集約されてきたようですが、あとは、政治と官僚の手腕に混乱の防止を委ねるしかない石油業界です。

このままでは、販売業者だけでなく消費者も混乱します。
また、いかに資本主義とはいえ国としての税制が絡む以上は販売業者としての立場の「公平性」を維持する必要があるとも思われます。

それにしても、早く税制方針を決定してほしいものですね。

このままいったら、石油流通リテールは大変な混乱になりそうです。
タイムスケジュール的にもギリギリです。

我が国の政治体制がこれほど貧困だとは思ってもみませんでした。
これでは、一流国家ではなくなったと女性大臣が臆面もなくのたまう理由がよく分かります。

拝啓、福田総理大臣殿

2008年03月28日 11時41分25秒 | Weblog
拝啓
福田総理大臣殿

昭和48年第一次オイルショックの大混乱の時。
貴方はまだ、バリバリの丸善石油のオイルマンで、政治家ではありませんでした。

地元群馬県の特産物である「こんにゃく」の乾燥用A重油が不足して農家や業者が大変な苦労をした時、貴方は匿名で個人的にも大変な苦労をして200㍑ドラム缶一本ずつ農家や業者に手当てしました。当然こんにゃく組合を通じての有料配布でしたがあの時の「真心のA重油」は、噂となりその後地元での貴方への絶大な支持基盤となりました。

中曽根、小渕と有力な政治家を輩出してきた旧群馬三区で、貴方が最初に立候補したときでも断トツの支持を得たのもそんなエピソードがあったからだと確信しています。

福田さんは、潔癖すぎて「あまり政治家には向いていない」なんていう人間がいるほどに公平で冷静な方で、情熱をあまり表に出さないため誤解を受けることもありますが、支持者としてはあなたのそんなところが好きだという方も多いわけです。

昨日の緊急記者会見ではかなり思い切った決意の表情が見えました。
暫定税率が一時撤廃されて再び衆議院で再可決され、ガソリンが再値上げされるとしたら、その時、一般消費者からどのような反応が出るのか非常に心配しています。

あの頃、あなたの心意気に感じて、私や今では独立系の旗手となっているS氏なども協力してA重油を必死で手当てしたものでした。
必死でドラム缶に小分けしたA重油を転がしまわったものです。

今回の事態ではどのようなことが起こるのかまだ分かりません。
しかし、今回の事態は販売業者に大変な試練と混乱を強いることになるはずです。

色々な、内部状況があるでしょう。

しかし、国民のほとんどである末端消費者と販売業界の事を忘れないでいただきたいと思っています。

財務省、国交省もあるでしょう、道路公団もあります。関連する団体やあるでしょう。

しかし、あの頃のオイルマンとしての安定供給に賭けた貴方の熱い情熱を思い出して欲しいと切に願っております。

貴方は、石油畑出身の政治家なのです。
誰よりも、末端業者の苦労や現実を知っているはずです。
このブログメールを、福田さん。
貴方に送付いたします。

昔、丸善石油で頑張っていた頃を思い出して頑張ってください。
貴方はいま、全国の石油販売業者を担当している、営業本部長なのですから。

暫定税率撤廃に伴う「値引き販売開始のタイミング」

2008年03月28日 05時34分29秒 | Weblog
福田総理が揮発油税の一般財源化を表明しました。
政治的には大きな決定ですね。
財務省や国交省、道路公団は大騒ぎになるはずです。

しかし、現在大混乱中の石油流通業界にとっては、揮発油税の「使い道」などはおおきな問題ではありません。当面、政治的に混迷している「暫定税率撤廃問題」にどのように対応するが最大の課題となっています。
石油業界は日本国の貧困な政治によりとんだトバッチリを受けています。
まさに、政治的混乱が石油業界自体の生き残りの生命線ともなってきました。

こんな時こそ、業界としての団結と、ビジネスモラルと秩序の維持が必要だと思います。

大手元売りでは、暫定税率撤廃後の流通の混乱で「品切れ」が発生するかもしれないと発表。さらに「各企業は仕入価格に対応して販売する」よう求めています。

こうなると販売業界としては、元売りが暫定税率撤廃以前の流通在庫があるうちは「税額値引きしない」のか、それとも4月1日から「税額分を即時値引き対応する」のかが大きな問題になりそうです。元売りの流通在庫分の価格対応に関しては未だ不透明だといわざるを得ません。

そんな中で早々と4月1日の暫定税率撤廃と同時に25円の値引き販売を開始すると表明している販売業者もいるようです。
一部業者などは暫定税率撤廃以前の「SS在庫分」のみを被れば事足りると考えていらっしゃる単純な販売業者もいるようですが・・・、「先行き不透明」な現状では、とんでもない話ですね。

消費者への「信用」という言葉を盾に取り、フライングの見切り発車を行うことは当事者も業界としても「自殺行為」になりかねません。
こんな時だからこそ、自社の理屈だけでの暴走的なビジネスは「厳に慎むべきビジネスモラル」だともいえます。

現状では、4月1日以降の仕入商品価格が必ず「暫定税率撤廃対応商品」となるのかどうかは未だ不明であるといわざるを得ません。
まして、「業転玉」を手当てしていた企業では即時減税商品の手当てができるはずもないと思われます。

ある程度「先行き」が見えてからの対応であれば、資本主義下の競争の原則もありますが、現状では元売りでさえ当面の対応に苦慮している段階なのです。
先行き不透明な状況での「跳ね返りビジネス」は業界しての大きな損失ともなりかねません。

そんな中で、
北東北のK石油が暫定税率撤廃を控えて早くも15円の値下げを断行。
4月1日からさらに10円下げると報道されています。

過激な価格戦略で占有率を高め、地域淘汰を急速に進めることで「次の安定」を狙うビジネスは関東地区のホームセンターや大手家電が使う常套手段なのですが、石油ビジネスでも通用するのかは疑問です。

私は、現在はシステム屋ですが。
昔は石油流通ビジネスの最前線で生きてきた人間です。
同じ事を考えていた時期もありました。

石油ビジネスでの挫折を経て現在があるわけですが、
しかし、こんな時代になるとやはり気になる石油業界です。

一人、一人のお客様の顔が頭に浮かんできます。
こんな時だからこそ、使用ユーザー様のためにできることを真剣に考えています。