僕の中では多くの傑作を送り出し、今もなお、映画を撮るという意欲を衰えさせていないと思われるクリント・イーストウッドは、是までの作品を通じて僕たちにずっと問いかけてきたと思う。
「誇り」とは?、「良心」とは?、「命」とは?、「愛」とは?、「生」とは?、「死」とは?……。
そして「ヒア アフター」では、「現在、自分は生きている」と言う、与えられ続けられている生を全うすることの尊さや、別のドアを自ら開けることによって、新たに“生きること”を問うているように思う。
生まれて、生きて、死ぬ。
全てが通るであろう道筋。
かくも簡単なようで、難しい。
生きると言う事、そしてこれから死に向かう事、死を受け入れること、その難しさを嫌と言うほど知っている80歳のイーストウッドが、向き合った生と死。
抑え気味な色調と抑揚の少ない語り口が、ユッタリと心に染み渡るような楽曲を奏でるオーケストラのよう。
「ヒア アフター」の登場人物は死後の世界に接近しようとしている。
彼らは三者三様の形で「死との隣接」を実感している。
だが彼らは、「向こう側」へ荒々しく踏み込んでいくわけではない。
超常現象を通じて霊界と派手に交流するわけでもない。
そこで、イーストウッドの趣味のよさが生きてくる。
抑えた色調と抑えた語り口がリンクし、一歩まちがえばオドロオドロしくなったり感傷の泥沼に溺れてしまったりしそうな話に、独楽がしんと静まったような求心力と説得力をもたらす。
イーストウッドだからこそ、水際で静止し、音も立てず爪先立ちの姿勢でバランスを取ることができた。
イーストウッドは思慮深い人物だとも思うし、本質的にリアリストなのだろうとも思う。
「ヒア アフター」は、スピリチュアルな映画ではない。
イーストウッドの映画を見るたびにいつも我を省みる。
現実を包み隠さず、問いかけてくれる。
ただ「明日」を見ることも忘れさせてくれない。
何か「希望」をも抱かせてくれる。
興味のある方はぜひ、クリント・イーストウッド監督全作品をお勧めしたい。
この映画の裏側に潜む、静かで安定した語り口に耳をすませてほしい。
コレも今年度、洋画ボクのランキング上位に位置ずけされました~
「誇り」とは?、「良心」とは?、「命」とは?、「愛」とは?、「生」とは?、「死」とは?……。
そして「ヒア アフター」では、「現在、自分は生きている」と言う、与えられ続けられている生を全うすることの尊さや、別のドアを自ら開けることによって、新たに“生きること”を問うているように思う。
生まれて、生きて、死ぬ。
全てが通るであろう道筋。
かくも簡単なようで、難しい。
生きると言う事、そしてこれから死に向かう事、死を受け入れること、その難しさを嫌と言うほど知っている80歳のイーストウッドが、向き合った生と死。
抑え気味な色調と抑揚の少ない語り口が、ユッタリと心に染み渡るような楽曲を奏でるオーケストラのよう。
「ヒア アフター」の登場人物は死後の世界に接近しようとしている。
彼らは三者三様の形で「死との隣接」を実感している。
だが彼らは、「向こう側」へ荒々しく踏み込んでいくわけではない。
超常現象を通じて霊界と派手に交流するわけでもない。
そこで、イーストウッドの趣味のよさが生きてくる。
抑えた色調と抑えた語り口がリンクし、一歩まちがえばオドロオドロしくなったり感傷の泥沼に溺れてしまったりしそうな話に、独楽がしんと静まったような求心力と説得力をもたらす。
イーストウッドだからこそ、水際で静止し、音も立てず爪先立ちの姿勢でバランスを取ることができた。
イーストウッドは思慮深い人物だとも思うし、本質的にリアリストなのだろうとも思う。
「ヒア アフター」は、スピリチュアルな映画ではない。
イーストウッドの映画を見るたびにいつも我を省みる。
現実を包み隠さず、問いかけてくれる。
ただ「明日」を見ることも忘れさせてくれない。
何か「希望」をも抱かせてくれる。
興味のある方はぜひ、クリント・イーストウッド監督全作品をお勧めしたい。
この映画の裏側に潜む、静かで安定した語り口に耳をすませてほしい。
コレも今年度、洋画ボクのランキング上位に位置ずけされました~