まずはアマゾン・スタジオズと言うのが珍しい、というか初めて見た映画でのアマゾン。
イラクの砂漠。
とあるパイプラインの建設現場で、救助要請を受け派遣された米軍の狙撃手マシューズと観測手アイザックが、相次いで銃撃される。
膝に被弾したアイザックは必死で廃墟の壁に身を隠し、“死に神”と恐れられるイラクのスナイパー、ジューバと対峙する。
ジューバのキャラクターと描き方が出色。
この敵役はスクリーン上には映らないが、照準器をのぞく視点と、無線を通じて語りかける声でその存在を観客に知らせる。
明らかに知能の高いジューバは、脅したり諭したりしてアイザックに自分語りをするよう促す。
その過程で、主人公の過去が露わになり、米国の対イラク戦と復興支援の欺瞞も暴かれる。
ゆるく積まれた石壁の象徴性がじわじわと浮かび上がる。
正反対の概念「生と死」、自己と敵、正義と悪を分かち隔てる絶対的な境界だと考えられた“壁”の不確かさに気づくとき、観客はもはや傍観者ではいられない。
単純な二項対立の危うさと脆さは、ナショナリズムと排外主義が勢いを増す今こそ再認識すべき。
イラクの砂漠。
とあるパイプラインの建設現場で、救助要請を受け派遣された米軍の狙撃手マシューズと観測手アイザックが、相次いで銃撃される。
膝に被弾したアイザックは必死で廃墟の壁に身を隠し、“死に神”と恐れられるイラクのスナイパー、ジューバと対峙する。
ジューバのキャラクターと描き方が出色。
この敵役はスクリーン上には映らないが、照準器をのぞく視点と、無線を通じて語りかける声でその存在を観客に知らせる。
明らかに知能の高いジューバは、脅したり諭したりしてアイザックに自分語りをするよう促す。
その過程で、主人公の過去が露わになり、米国の対イラク戦と復興支援の欺瞞も暴かれる。
ゆるく積まれた石壁の象徴性がじわじわと浮かび上がる。
正反対の概念「生と死」、自己と敵、正義と悪を分かち隔てる絶対的な境界だと考えられた“壁”の不確かさに気づくとき、観客はもはや傍観者ではいられない。
単純な二項対立の危うさと脆さは、ナショナリズムと排外主義が勢いを増す今こそ再認識すべき。