Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

寒色 濁り色

2018-06-12 07:58:38 | 映画
子どもは生まれてくる時に家庭環境を選べない。
もし選択の自由が有るのならば....
虐待する親と、愛情かけて万引きをやらせる親、あなたはどちらと一緒に暮らすだろう。
主人公の夫が不憫に思って家に連れ帰る5歳の少女は、虐待する実親の元へ戻らず、主人公たち家族の一員になる道を選ぶ。
一方、主人公の息子は、主人公に指南された万引きの正当性に疑問を持ち始めたことから、「この家族と同じ価値観を共有していけるだろうか?」と迷うようになる。
大人の不正と、自身の心に芽生えた正義感の間で揺れる主人公の息子は、汚れ仕事以外に生きる術を知らない大人の保護下で、自分はどう生きるべきかを自問する。
児童虐待から独居老人まで、いまどき日本の社会問題を6人の登場人物に背負わせた群像劇でもあるこの映画には、さらなる要素が混ざり合っている。
子どもたちを愛し、愛される親になろうと奮闘する主人公夫と主人公嫁。
法律的な善人が犯す悪(親による虐待)と、法律的な悪人が成す善(虐待児の保護)を対比。
本当は「犯罪でしかつながれなかった」というわけではなく、「この家族が何でつながっているか?」という問いを見る。
足りないもの、補いたいものが、それぞれの不安とするならば、それぞれの不安を埋め合うように肩寄せ合って暮らし、同時に秘密が露見することに対する不安を共有している。
本当はこうなってもらいたい、この映画はこう終わってほしいと言う、見る側の心理。これも何か不安を共有しているのだろうか?
最も幸せな瞬間にもそれは消えることがない...そんな不安。
それが美しい濁り色で表現されている。