Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

広報から監視へ

2019-04-14 08:55:00 | 映画
この映画の監督の有名な作品は「スタンド・バイ・ミー」 しかし最新作は社会派。
9.11後のアメリカで、不確かな情報を口実にイラク戦争へ突き進むブッシュ政権に、孤独な戦いを挑んだ記者たちの実話。
新聞社ナイト・リッダーは、日本では知名度は低い。
当時31の地方紙を傘下に持ち全米第2の規模を誇る名門。
記者たちは、「オサマ・ビンラディンをフセイン大統領が支援」「イラクが大量破壊兵器を保有」という政府の主張に疑念を抱き、政府職員や外交官らを地道に取材。
大手メディアが政府に迎合するなか、ナイト・リッダーはイラク侵攻の根拠が情報操作されたものであることを暴き、政権を批判する記事を掲載する。
「スポットライト 世紀のスクープ」や「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」などの流れをくみ、元祖と言えば「大統領の陰謀」。
政権が都合のいい情報を流して世論を誘導したことを、記者たちは調査報道で追及し、結果的に大量破壊兵器は見つからず彼らの正しさが証明される。
しかし開戦を阻止することはかなわず、イラク人100万人、米兵3万6000人以上が死傷。
勝負には勝ったが試合には負けた状況であり、映画の後味もほろ苦い。
報道機関が権力を監視する役割を後退させ、政府の“広報”に甘んじる状況は、日本も同じ。
だが政治もマスコミもその国民を映す鏡だとすれば、嘆くだけではすまされない。
ニュースの受け手で有権者の私たちがメディアリテラシーを高め、真実を求める姿勢を正していくことが、政治と報道の質を高めることにつながるはず。
是非この映画を見る前に現在上演中の「VICE」をご覧になられてから、この映画を見ると裏表の鏡のように詳しくこの状況を把握できる映画だと思いますよ。