◎事件の舞台は、那珂郡長倉村の蒼泉寺
数日前、DVDで、森谷司郎(もりたに・しろう)監督の東宝映画『首』(1968)を鑑賞した。この映画を観るのは三回目だったが、やはり傑作だと思った。
映画の冒頭、「蒼龍寺」という額のある山門が映し出される。蒼龍寺のモデルは、茨城県那珂郡長倉村(当時)にある曹洞宗の古刹・蒼泉寺(そうせんじ)である。
映画を観たあと、原作が読みたくなって、正木ひろし『弁護士――私の人生を変えた首なし事件』(講談社現代新書、1964年6月)を引っぱり出してきた。映画は、おおむね原作に即している。しかし、登場人物の名前前、役職名、地名、機関名などは、変えられている場合が多い。
以下に、映画における名前・役職名、原作における名前・役職名、映画における俳優名(太字)を、順に挙げてみよう。映画における名前・役職名および俳優名は、ウィキペディア「首(1968年の映画)」に拠った。
正木ひろし ← 正木ひろし弁護士(第二東京弁護士会) :小林桂樹
吉田弁護士 ← A弁護士 :古山桂治
山口助手 ← B助手 :鈴木良俊
滝田静江 ← 佐藤勝子(加最炭鉱鉱主) :南風洋子
岸本正治 ← 氏家庄次郎(加最炭鉱所長) :下川辰平
奥村 登 ← 大槻 徹(加最炭鉱現場長) :宇留木康二
同 進 ← 大槻吉見(徹の弟) :鈴木治夫
石橋(鉱夫) ← C鉱夫 :小川安三
河内(鉱夫) ← D鉱夫 :加藤茂雄
宮崎三郎 ← 橋本三郎(第一東京弁護士会) :北 竜二
浜謄写店の細君 ← 同(浜謄写店は原作のまま) :辻 伊万里
秋山検事正 ← 村上雄治検事正(水戸地方検事局) :灰地 順
橋岡次席検事 ← 高橋禎一次席検事(水戸地方検事局) :館 敬介
青倉村駐在巡査 ← 長洲巡査(茨城県那珂郡長倉村駐在所) :木崎 豊
里見巡査部長 ← 大塚清次(茨城県大宮警察署経済係) :渋谷英男
大崎署の警官 ← 大宮署の警官 :権藤幸彦
堀本医師 ← 根本藤蔵(長倉村医師) :池田生二
堀本の妻 ← 根本医師の妻 :小沢憬子
川島運送社長 ← 四倉繁作(常北陸運大宮出張所所長) :寄山 弘
蒼竜寺の住職 ← 蒼泉寺の住職 :榊田敬二
田代検事 ← 井出廉三検事(東京控訴院検事局) :神山 繁
司法省刑事課長 ← 岡原昌男(司法省刑事局刑事課長) :加藤和夫
室田(水戸の医師) ← 青柳兼之介(水戸の医師) :大滝秀治
野村(印刷所社長) ← 松村 保(松村印刷所) :今福正雄
中原(東京大学雇員) ← N氏(東京帝国大学解剖学教室職員) :大久保正信
高林浩三 ← 小林俊三弁護士(第二東京弁護士会、正木の先輩) :清水将夫
花井(東京大学助教授) ← 氏名肩書不詳(東京帝国大学法医学教室のスタッフ) :飯沼 慧
南(東京大学教授) ← 西 成甫教授(東京帝国大学解剖学教室) :三津田 健
福畑(東京大学教授) ← 古畑種基教授(東京帝国大学法医学教室) :佐々木孝丸
若干、注釈する。「吉田弁護士」は、正木ひろしの原作『弁護士』では、「A弁護士」として登場する。しかし、映画では、その「吉田弁護士」に相当する人物が出てこない。クレジットには、古山桂治の名前があるが、古山桂治は、この映画に登場しているのだろうか。あるいは、どこで登場しているのだろうか。
原作では、「山口助手」に相当する人物が出てこない。しかし、映画では、比較的、重要な役どころで登場する。これを演ずるのは、鈴木良俊。鈴木良俊という役者については不詳。
東京控訴院検事局の「田代検事」の実名は、井出廉三と思われる。原作では、「井出簾三」と表記されているが、井出廉三が正しいようだ(井出廉三の読み、生没年などは不詳)。田代検事を演ずる神山繁(こうやま・しげる、1929~2017)の演技は、この映画の見どころのひとつである。
原作には、「花井(東京大学助教授)」に相当する人物は出てこない。しかし映画では、法医学教室に三人のスタッフがおり、そのうちのひとりが、福畑教授から「花井君」と呼ばれ、「首」を預けられている。この「花井君」を演じているのは、飯沼慧(いいぬま・けい、1926~2011)。
数日前、DVDで、森谷司郎(もりたに・しろう)監督の東宝映画『首』(1968)を鑑賞した。この映画を観るのは三回目だったが、やはり傑作だと思った。
映画の冒頭、「蒼龍寺」という額のある山門が映し出される。蒼龍寺のモデルは、茨城県那珂郡長倉村(当時)にある曹洞宗の古刹・蒼泉寺(そうせんじ)である。
映画を観たあと、原作が読みたくなって、正木ひろし『弁護士――私の人生を変えた首なし事件』(講談社現代新書、1964年6月)を引っぱり出してきた。映画は、おおむね原作に即している。しかし、登場人物の名前前、役職名、地名、機関名などは、変えられている場合が多い。
以下に、映画における名前・役職名、原作における名前・役職名、映画における俳優名(太字)を、順に挙げてみよう。映画における名前・役職名および俳優名は、ウィキペディア「首(1968年の映画)」に拠った。
正木ひろし ← 正木ひろし弁護士(第二東京弁護士会) :小林桂樹
吉田弁護士 ← A弁護士 :古山桂治
山口助手 ← B助手 :鈴木良俊
滝田静江 ← 佐藤勝子(加最炭鉱鉱主) :南風洋子
岸本正治 ← 氏家庄次郎(加最炭鉱所長) :下川辰平
奥村 登 ← 大槻 徹(加最炭鉱現場長) :宇留木康二
同 進 ← 大槻吉見(徹の弟) :鈴木治夫
石橋(鉱夫) ← C鉱夫 :小川安三
河内(鉱夫) ← D鉱夫 :加藤茂雄
宮崎三郎 ← 橋本三郎(第一東京弁護士会) :北 竜二
浜謄写店の細君 ← 同(浜謄写店は原作のまま) :辻 伊万里
秋山検事正 ← 村上雄治検事正(水戸地方検事局) :灰地 順
橋岡次席検事 ← 高橋禎一次席検事(水戸地方検事局) :館 敬介
青倉村駐在巡査 ← 長洲巡査(茨城県那珂郡長倉村駐在所) :木崎 豊
里見巡査部長 ← 大塚清次(茨城県大宮警察署経済係) :渋谷英男
大崎署の警官 ← 大宮署の警官 :権藤幸彦
堀本医師 ← 根本藤蔵(長倉村医師) :池田生二
堀本の妻 ← 根本医師の妻 :小沢憬子
川島運送社長 ← 四倉繁作(常北陸運大宮出張所所長) :寄山 弘
蒼竜寺の住職 ← 蒼泉寺の住職 :榊田敬二
田代検事 ← 井出廉三検事(東京控訴院検事局) :神山 繁
司法省刑事課長 ← 岡原昌男(司法省刑事局刑事課長) :加藤和夫
室田(水戸の医師) ← 青柳兼之介(水戸の医師) :大滝秀治
野村(印刷所社長) ← 松村 保(松村印刷所) :今福正雄
中原(東京大学雇員) ← N氏(東京帝国大学解剖学教室職員) :大久保正信
高林浩三 ← 小林俊三弁護士(第二東京弁護士会、正木の先輩) :清水将夫
花井(東京大学助教授) ← 氏名肩書不詳(東京帝国大学法医学教室のスタッフ) :飯沼 慧
南(東京大学教授) ← 西 成甫教授(東京帝国大学解剖学教室) :三津田 健
福畑(東京大学教授) ← 古畑種基教授(東京帝国大学法医学教室) :佐々木孝丸
若干、注釈する。「吉田弁護士」は、正木ひろしの原作『弁護士』では、「A弁護士」として登場する。しかし、映画では、その「吉田弁護士」に相当する人物が出てこない。クレジットには、古山桂治の名前があるが、古山桂治は、この映画に登場しているのだろうか。あるいは、どこで登場しているのだろうか。
原作では、「山口助手」に相当する人物が出てこない。しかし、映画では、比較的、重要な役どころで登場する。これを演ずるのは、鈴木良俊。鈴木良俊という役者については不詳。
東京控訴院検事局の「田代検事」の実名は、井出廉三と思われる。原作では、「井出簾三」と表記されているが、井出廉三が正しいようだ(井出廉三の読み、生没年などは不詳)。田代検事を演ずる神山繁(こうやま・しげる、1929~2017)の演技は、この映画の見どころのひとつである。
原作には、「花井(東京大学助教授)」に相当する人物は出てこない。しかし映画では、法医学教室に三人のスタッフがおり、そのうちのひとりが、福畑教授から「花井君」と呼ばれ、「首」を預けられている。この「花井君」を演じているのは、飯沼慧(いいぬま・けい、1926~2011)。
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