サマセット・モームの「人間の絆」を読みました。
誰が好き好んでこんなマニアックな海外文学読むんだって言われそうですが、
それもひとえにN田先生のせいです。
シニカルな語りの特徴的なこの小説、
特別面白いかと言われたらそうでもないけれど
読みとおすのが苦痛なほどではありませんでした。
そう簡単にはハッピーエンドを許してくれないロシア物に比べると
この小説のいかにも西欧好みな安易な伏線の回収は正直物足りませんが
個人的にはアンナ・カレーニナより面白かったです。
(そういえば、少し前に放送されていたカラマーゾフのドラマ。
面白かったけれど、あの結末はいただけない)
この自伝小説の主人公はひどく欠点の目立つ男。
でもむしろ、それがかえってそれがすがすがしいくらいでした。
語り手はお人よしという形容を執拗に繰り返すけれど、僕にはそう思えません。
それでもなおそこに自分を重ねてしまうへたれ男向けの小説と言えそうです。
もちろんお勧めはしません。笑
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水泳の世界大会を見るたびに思うんだけど、
いつになれば水泳で黒人選手は活躍できるようになるんでしょうね。
文化とか設備の問題とか経済上の理由とか色々言われているけれど、
根底にあるのはやっぱり差別でしょう。
最初からフェアじゃない勝負なんて。
悔しさとか憤りを感じることが多い今日この頃。
やられたらやり返すとは言わないけれど、絶対見返してやると心に誓うこともしばしば。
何年か前には「いつか読みたい海外文学リスト」に載ってた月と六ペンスだけど、あなたの感想を聞いて読む気失くしたよ。笑
そんなに酷い感想書いてたかな。あの小説は人間の絆より面白かった記憶があるんだけど。