あの2人と晩御飯食べ、軽くお酒を飲んできました。
気のおけない友人って言うのはいいもんですね。
久々に心の安らぎを覚えました。
盛り上がった話題は「循内の医者はAFが好き」など
際どいものが主だったりしますが(笑
大学の部活で何を得たかと問われたら、真っ先に人間関係と答えます。
これは間違いなく、部活なくして得られなかったかけがえの無いもの。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
さて、今回は真面目な話題。
最近、メディアで話題になったニュースを取り上げてみます。
世界陸上の女子800mで優勝したセメンヤ選手。
男性疑惑が浮上していましたが、
最近「両性具有」と判明したとニュースになっていましたね。
両性具有といわれても、なんじゃそりゃ・・と思った人が多かったのではないでしょうか?
テレビなどではやや詳しい報道もあったようですが、
新聞ではあまり詳しくは触れられていませんでした。
どうも大衆の好奇心をあおるだけのセンセーショナルな報道に思えてなりません。
そこで、一応医学を勉強するものとして、それについて解説したいと思います。
この病名を報道で見たわけでないので確証はありませんが、
この人はおそらく、精巣性女性化症候群という病気です。
外見は女性(外性器も女性)ですが、染色体はXYです。(通常、女性はXX)
本来、男性になるはずですが、
男性ホルモンであるアンドロゲンの受容体が正常に機能しないため、
胎生期に男性性器の分化が進みません。
さらに、アンドロゲン受容体の不応は脳の発達にも影響を及ぼし、
脳の発達も女性らしくなるとされています。
一方、精巣の発達も進みます。
停留精巣という形をとり、鼠径部(足の付け根のあたり)に腫瘤がある場合が多いです。
そして、精巣から分泌されるMISという物質は女性器の分化を抑制するため、
卵巣・卵管・子宮は発達せず、膣も盲端になります。
それゆえ生殖能力は無く、原発性無月経となります。
まとめれば、XYの染色体を持っているのに男性への分化が進まず、
"外見は男っぽい女性"となってしまう病態です。
(心は女性ってところがつらいところ・・)
機能していないアンドロゲンに負のフィードバックがかかって、
アンドロゲン高値となりそうですが、
アンドロゲン(テストステロン)自体は男性と同じくらいの値を示すそうです。
文字で書くとすごく分かりにくいですね・・
ようするに、先天的に男性ホルモンが高値の女性になるわけです。
そして、このホルモンはドーピングにも使われることがあるもの。
2位に選手にメダルが授与されるのは、自然な流れだと思います。
だけど、誰よりもかわいそうなのはそのセメンヤ選手。
その先天的なホルモンバランスのせいで辛い思いをすることも多かったはず。
逆にそれを生かして陸上と言う世界で花咲かせたというのに
自分でも知らなかったこの病態に気づくはめになってしまう。
(18歳まで無月経だったはずだから、それを理由に病院に行ってほしいところですが
経済的な理由とか色々あったんでしょうか・・)
大会の主催者側はこの選手には今後出てもらいたくないでしょうね。
少なくとも男性ホルモン高値な状態のままでは。
そしてまた、停留精巣は悪性化の危険性が極めて高いので
なるべく早く摘出してしまう必要があります。
摘出してしまえば男性ホルモンの値も下がり、記録が維持できる保障はありません。
でも体への負担を考えればそのほうがいいんだろうなぁ・・
(ちなみに胚細胞腫瘍になりやすいわけだけど、
胚細胞腫瘍って発生学的な理由で、正中にある臓器にできやすいらしいよ。脳とか、縦隔とか。)
余談ですが、精巣性女性化症候群の選手は
これまでにも好記録をたたき出してきたらしいです。
なので、今回が初めてのケースというわけではなさそう。
これまでどういう措置をとってきたのかについてまでは知りませんが・・。
以上、センセーショナルな報道に対する義憤から書いてみましたが、
「両性具有」についてお分かりいただけたでしょうか?
たまには専門を絡めた視点からブログを更新してみました。
気のおけない友人って言うのはいいもんですね。
久々に心の安らぎを覚えました。
盛り上がった話題は「循内の医者はAFが好き」など
際どいものが主だったりしますが(笑
大学の部活で何を得たかと問われたら、真っ先に人間関係と答えます。
これは間違いなく、部活なくして得られなかったかけがえの無いもの。
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さて、今回は真面目な話題。
最近、メディアで話題になったニュースを取り上げてみます。
世界陸上の女子800mで優勝したセメンヤ選手。
男性疑惑が浮上していましたが、
最近「両性具有」と判明したとニュースになっていましたね。
両性具有といわれても、なんじゃそりゃ・・と思った人が多かったのではないでしょうか?
テレビなどではやや詳しい報道もあったようですが、
新聞ではあまり詳しくは触れられていませんでした。
どうも大衆の好奇心をあおるだけのセンセーショナルな報道に思えてなりません。
そこで、一応医学を勉強するものとして、それについて解説したいと思います。
この病名を報道で見たわけでないので確証はありませんが、
この人はおそらく、精巣性女性化症候群という病気です。
外見は女性(外性器も女性)ですが、染色体はXYです。(通常、女性はXX)
本来、男性になるはずですが、
男性ホルモンであるアンドロゲンの受容体が正常に機能しないため、
胎生期に男性性器の分化が進みません。
さらに、アンドロゲン受容体の不応は脳の発達にも影響を及ぼし、
脳の発達も女性らしくなるとされています。
一方、精巣の発達も進みます。
停留精巣という形をとり、鼠径部(足の付け根のあたり)に腫瘤がある場合が多いです。
そして、精巣から分泌されるMISという物質は女性器の分化を抑制するため、
卵巣・卵管・子宮は発達せず、膣も盲端になります。
それゆえ生殖能力は無く、原発性無月経となります。
まとめれば、XYの染色体を持っているのに男性への分化が進まず、
"外見は男っぽい女性"となってしまう病態です。
(心は女性ってところがつらいところ・・)
機能していないアンドロゲンに負のフィードバックがかかって、
アンドロゲン高値となりそうですが、
アンドロゲン(テストステロン)自体は男性と同じくらいの値を示すそうです。
文字で書くとすごく分かりにくいですね・・
ようするに、先天的に男性ホルモンが高値の女性になるわけです。
そして、このホルモンはドーピングにも使われることがあるもの。
2位に選手にメダルが授与されるのは、自然な流れだと思います。
だけど、誰よりもかわいそうなのはそのセメンヤ選手。
その先天的なホルモンバランスのせいで辛い思いをすることも多かったはず。
逆にそれを生かして陸上と言う世界で花咲かせたというのに
自分でも知らなかったこの病態に気づくはめになってしまう。
(18歳まで無月経だったはずだから、それを理由に病院に行ってほしいところですが
経済的な理由とか色々あったんでしょうか・・)
大会の主催者側はこの選手には今後出てもらいたくないでしょうね。
少なくとも男性ホルモン高値な状態のままでは。
そしてまた、停留精巣は悪性化の危険性が極めて高いので
なるべく早く摘出してしまう必要があります。
摘出してしまえば男性ホルモンの値も下がり、記録が維持できる保障はありません。
でも体への負担を考えればそのほうがいいんだろうなぁ・・
(ちなみに胚細胞腫瘍になりやすいわけだけど、
胚細胞腫瘍って発生学的な理由で、正中にある臓器にできやすいらしいよ。脳とか、縦隔とか。)
余談ですが、精巣性女性化症候群の選手は
これまでにも好記録をたたき出してきたらしいです。
なので、今回が初めてのケースというわけではなさそう。
これまでどういう措置をとってきたのかについてまでは知りませんが・・。
以上、センセーショナルな報道に対する義憤から書いてみましたが、
「両性具有」についてお分かりいただけたでしょうか?
たまには専門を絡めた視点からブログを更新してみました。
メス化と言ってしまえばそうなんですが、
この患者さんは、社会的には女性として生まれてきて、
女性らしい心を持っているので
そういってしまうと語弊があるでしょうね・・
わざわざ読んでくださってありがとうございました。
でもこれは冗談にするには適さない話題だよ。