〈そったく同機〉という言葉があります。
〔(そったくどうき)とは、雛(ひな)がかえろうとするとき、雛が内からつつくのを「啐(そつ)」、母鳥が外からつつくのを「啄(たく)」という。禅において、師家と修行者との呼吸がぴったり合うこと。〕と〈大辞林〉に書かれています。
子供の勉強だけに矮小化すべきことではありませんが、しかし、同時に勉強面においてもこのことは十分に考慮されて叱るべきだと思います。
この場合、母鳥の役目を担うのは必ずしも母(或いは親)だけではなく、学校の教師や私たち学習塾の関係者、そうした者を含んだ周囲の大人たち全員です。
まれに、この部分だけを取り上げて、もう一方の雛(子供)のほうの役割を棚に上げるかのような感覚でいる方がいますが、これは大きな間違いです。
ぴったり呼吸が合わない、或いは合わせようとしないことは、それだけで随分と無駄な時間をすごしてしまうのだということを忘れてはいけないと思います。