私は平均して月に20冊くらい本を読みます。好きな分野はノンフィクションです。最近は、佐佐木吉之助さんの鎌田戦記、バーバラ・ハリスさんの臨死体験など、今読んでいるのは野々村馨さんの「食う寝る座る 永平寺修行記」です。これが結構面白い。
例えば、修行中の身にはとてもきつくて窮屈だろうとしか思えないのですが、曹洞宗の修行というのは、日常のこと全てが修行なのだそうで、食事やトイレなどの所作の一つ一つがそれこそ息が詰まるような細かなルールと、そしてそれに付随した乱暴なまでの強制力からなっていて、読んでいてひたすら大変だわこれは、と思います。
今日、教室に来る車の中で、ふと思ったことがあります。
教室は今まさに学年末試験の対策授業の最中ですが、勉強が苦手か、好きでない子の特徴の一つに、日常生活の中で忘れ物が異常に多いというものがあります。
実際、そういう子たちは大概なにがしかの忘れ物をしてきます。
先日などは、授業後バスで帰宅する際、スイカがないないと言って騒いだ末にカバンの中に落ちているのを発見したのはよいのですが、それを机の上において帰りの身支度をした際、その肝心のスイカを堂々と机上に置き忘れたまた「さよなら~」などと言って出て行った子もいました。
思ったのは、こういう子たちに対しては、程度の違いはあっても、本の中に書いてあった日常生活の中の細かな所作を厳しく厳しく強制的に叩き込むことは、それ自体がこうしたしょうもない忘れ物の癖もなくし、ピリッとしまった生活の実現に向けた大きなバックアップになるのではないでしょうかということ。