アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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誰がN君の事を笑えるか

2010年07月26日 14時37分58秒 | 職場人権レポートVol.1
 何故私が、職場の労働強化の問題を取り上げるに当たって、参議院選挙(7月11日付記事など)や中国の労働問題(同23日付記事)まで話題を広げているか、お分かりになるだろうか。それは、職場で今起こっている事を、単に職場だけの狭い視野で捉えている限り、「愚痴」や「妬み嫉み」にしかならないからだ。それだけなら何の意味もないし、わざわざブログで取り上げる意味もない。そうではなく、今職場で起こっている労働強化も、世に中の動きや社会的関係で捉えない限り、解決の展望など見えてこないからだ。
 或いは人によっては、この私のやっている事を、単なる「左翼の宣伝」と捉えている向きもあるかも知れない。確かに私自身が左翼なので、左翼的な見方から捉えた記事が多いのは否めない。但し、私自身はこれで何かの宣伝をする気は毛頭ない。私がこの「職場人権レポート」関連記事の中で言いたい事は唯一つ、それは「いい加減、奴隷根性から抜け出せよ!」という事に尽きる。自分たちが、時の政府やマスコミによって好い様に飼いならされ、その事にすら気付かないでいる限り、たとえ政権与党が自民党から民主党に、もっと極端に言えば共産党に変わっても、私たちが奴隷の境遇から抜け出す事は出来ない。
 私たちが如何に飼いならされているか、その最も極端な実例を今から提示する。これは確かに極端な例かも知れないが、決して自分とは無縁の話だとは、斯く言う私自身も含めて、誰にも断言出来ない筈だ。

 それは、過去記事「教育再生会議が理想とするのはこんな”実直”な若者だろう」で取り上げたN君のケースだ。個人の尊厳にも関わる事なので、取り上げようかどうか迷ったが、いつかは触れなければいけない問題だと思うので、敢えてここで取り上げる事にする。
 このN君というのは、派遣労働者から今の会社に直接雇用されるようになったバイトだったが、やっぱり使い物にならなくて、最後には早退・病欠・無断欠勤を何回か繰り返した末に辞めていった。
 何故使い物にならなかったというと、大の大人でありながら小学校で習うような算数の計算も出来ないとか、具体的には色々あるのだが、一番の問題が他人依存癖だった。計算が出来ないなら出来ないなりに、誰かに教えてもらうなり自分で覚えようとするならまだしも、そうではなく、「計算が出来なくてもレジで計算してくれるから別にいいやん」で済ますような所が多分にあった。だから仕事の手順を教えても、なかなか自分で覚えようとはせずに、直ぐに他人に頼ろうとするので、仕事もなかなか覚えられないという悪循環に陥っていた。
 子どものときからずっとその調子で来た結果、大人なら勉強の出来不出来に関わらず誰でも当然持ち合わせている筈の認識力が全然育っていなかった。先の「レジで計算してくれるから」云々もその現れだし、その他にも、「CO2=二酸化炭素」程度の基礎知識もないまま平気で危険物取扱主任者の試験を受けてみたり、前述の過去記事にもあるように一週間只働きさせられても抗議一つせず後でぶつぶつ文句言うだけだったり等々、色々あった。

 しかし、そんなN君でも一応会話は普通に出来るので、最初はなかなかそこまでは見抜けず、どこか変だと思いながらも、一応本人にも出来る仕事を割り振ってきた。休憩時間の雑談でたまに選挙の話題が出て、N君が他の誰かの意見に歩調を合わせる形で「自民党はもうダメだね」と言っておきながら、翌日になると「自民党でええやん」と僅か一日で正反対の事を言い、俺は「なんやこいつ」と訝しく思っても、それ以上に深く追及しようとはしなかった。
 それで何とかやってきたが、それまでの自堕落・不摂生な生活がたたり、とうとう持病の高血圧・高コリステロールが昂じて辞めざるを得なくなった。従来からも身長175センチに対して体重88キロと太り気味だったにも関わらず、間食癖が最後まで抜けなかったのだ。昼食の弁当を食べた後も菓子パン・ケーキ類やレトルトの麺類を頬張っていたので、私などが米国人の肥満やジャンク・フードの事例も挙げて、「間食を止めろ」「どうしても止められなくても、せめてソイジョイなどのダイエット食品で我慢しろ」と幾ら口を酸っぱくして言っても聞かなかった。

 以上が、N君が退職に至った経過だが、これは果たしてN君だけの特殊事例なのだろうか。私は決してそうは思わない。何故なら、N君は他の人よりも程度が酷いというだけで、N君以外のバイトも、食生活や生活態度は似たり寄ったりだからだ。それは、毎日の昼食でみんなが好んで食べているものを見れば一目瞭然だ。大抵「カップラーメンとお握り」や「コンビニ弁当」で済ませているではないか。
 その理由は、かつかつの生活の中で食費を浮かすためであったり、出勤時間が早朝で買える物が限られていたりと、致し方ない部分も確かにある。でも、そういう人も、一度は自分の買っている商品の原材料表示を見てみる事をお勧めする。そうすれば、タルタルソースてんこ盛りのコンビニ弁当一食で千キロカロリー以上も摂取していたり、メガカップ麺一個で塩分を10グラム近くも摂取している事が、改めてお分かりになるだろう。そんな食生活を何年も続けていたら、誰がN君みたいになっても不思議ではない。濃い味付けに慣れてしまったり、間食が当たり前になってしまったりも当然するだろう。

 食品メーカーは、そんな事はとうに計算ずくの上で、何十年もかけて、国民の嗜好や食生活をメーカー好みのものに変えてきたのだ。そうして国民の胃袋を支配してきたのだ。
 その典型的な例が学校給食であり、マクドナルドのハンバーガーなのだ。米国が自国産の小麦を通して日本国民の胃袋を支配する為に、減反政策と抱き合わせでパン食普及キャンペーンを学校給食を通してやって来たのは、余りにも有名な話だ。その為に食品添加物の使用規制も緩められてきた。嘘だと思うなら、例えば「Zリスト」「ポジティブ・リスト、ネガティブ・リスト」「コーデックス規格」や「遺伝子組換え作物」「WTO」「アグリビジネス」などのキーワードでネット検索をかけてみたら良い。あるいは映画「スーパーサイズ・ミー」を観てみるのも良いだろう。今まで知らなかった事実が一杯出てくる筈だ。

  
  

 スーパーサイズ・ミー (日本語吹き替え版) 1/13
 

 以上は、食生活を取り上げてのホンの一例だが、政府やマスコミによる「国民飼いならし」「愚民化政策」の典型例だ。みんなが職場の労働強化に怒っても具体的にどうすれば良いか分からないのも、労働基準法や労働者の権利について、上辺だけサラッとアリバイ的にしか教えられていないからだ。読者のまことさんが4つ前の記事のコメント欄で紹介していたスウェーデンの社会科教科書のように、「実際に不当解雇に遭った場合は、法律をどう活用すれば良いか、どの窓口に駆け込めば良いか」というように具体的に分かりやすい形で教えられていたら、ここまで労働強化が蔓延る事は無かった筈だ。
 何故、政府・文科省が、丸暗記や受験学力アップには血眼になっても、国民自身に自分で考える力を付けさせたり、問題解決に役立つような「生きた学力」を育てたりは一切して来なかったのか。それは、ごく一握りの「勝ち組」を除き、それ以外の圧倒的多数の国民については、いつまでもずっと、政府に言いなりでマスコミの情報操作に簡単に踊らされる、「物を考えない奴隷」のままにしておきたいからだ。N君流に言うなら「(自分は)アホなままでも国(政府・企業・誰か偉い人)が何とかしてくれるから別にいいやん」となるのだろうか。
 そういう意味では、N君のケースはいささか極端な例ではあるが、決してN君だけに限った特殊事例ではない。いつ誰がN君のようになっても(されても)おかしくはないのだ。
コメント (5)
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