アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

妙見山のケーブルカーとリフトに乗って来た

2023年10月08日 10時15分00秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

妙見山のケーブルカーとリフトに乗って来ました。南大阪出身の私にとっては、近郊の山と聞いてまず思い浮かぶのは金剛山・葛城山・生駒山・高野山です。北大阪の妙見山は余り馴染みがありません。今まで一度も行った事がありませんでした。その中で、今年12月3日を最後に妙見山のケーブルカーとリフトが廃止になると聞き、廃止前に一度乗っておこうと昨日行ってきました。

妙見山は大阪府豊能町と兵庫県川西市の境にある標高660.1メートルの山です。山頂には能勢妙見山というお寺があります。北極星の神様である妙見大菩薩を奉った日蓮宗のお寺です。奈良時代の僧・行基によって開かれ、戦国時代に土地の領主である能勢頼次によって再興されたと伝えられています。

その妙見山への参拝客輸送の為に、大正時代にケーブルカーが開通しました。このケーブルカーは、戦時中に一旦廃止されますが、戦後になって再びケーブルカーとリフトとなって再建されました。ケーブルカーとリフトの間の山腹には遊園地やバーベキューテラスも整備され(妙見の森)、長年親しまれてきましたが、近年は観光客も年々減り、設備の老朽化も進み、遂に今年12月3日をもってケーブルカー・リフトを含む妙見の森関連事業の全てを廃止する事になりました。(事業廃止通知参照)

妙見山へは梅田から阪急宝塚線に乗って行きます。川西能勢口で能勢電鉄に乗り換え、日生中央行きの電車に乗ります。そして、途中の山下で妙見口行きの電車に乗り換え、終点の妙見口からケーブルカー始発駅の黒川まで歩きます。歩くのは約20分ぐらいですが、上り坂なので結構きついです。でも、沿道には秋の農村風景が広がり、里山の新鮮な空気が一杯吸えるので、健康には非常に良いです。

黒川のケーブルカー始発駅に着いたのは午前10時半頃でしたが、もう既に数十人が並んでいました。ケーブルカーは20分おきに降りて来ますが、1両なのでそんなに多くの人は乗れません。私も3度目のケーブルカーにようやく乗る事が出来ました。ケーブルカーもリフトもそれぞれ片道400円、往復だと1600円しますが、全て通しの往復切符を買うと1500円で済みます。毎週水・木曜日は祝日以外はケーブルカーもリフトも運休するので、妙見山へは登山道で行くしかありません。

ケーブルカーで山腹の山上駅に到着。駅には足湯が併設されていましたが、100円の入浴料が必要で、誰も利用していなかったのでパス。そこからリフト乗り場まで、最初以上にきつい上り坂が続きます。坂が急なので、無料の杖の貸し出しサービスもありました。私は利用しませんでしたが。

その代わりに、山腹の「ふれあい広場」には、バーベキューテラスだけでなく、鉄道絡みの観光施設も一杯あったので、鉄道ファンの私としては、まさに願ったりかなったりでしたが。まずはアート作品の北極星入口駅。これは北極星の神様である妙見大菩薩に便乗したあやかったもの。私はそんなものよりもむしろ次のシグナス森林鉄道を高く評価したい。これは、「妙見の森」を運営していた能勢電鉄の職員が、手作りで作った遊覧鉄道です。ベガ駅とアルタイル駅の間をグルグル回っていました。「好きこそものの上手なれ」という格言の通りです。しかし、この遊覧鉄道も、2021年には廃止されてしまいました。ベガ駅周辺には線路と駅も残っています。まさか山中でこんなに鉄道趣味を堪能できるとは思ってもみませんでした。

そこからリフトに乗って、着いたのが妙見山のお寺。「無漏山眞如寺境外仏堂能勢妙見山」と言うのが、お寺の正式名です。北極星の神様である妙見大菩薩が祭神で、その眷属(けんぞく=家来)である8つの神馬の像があちこちに建てられています。これも競馬ファンである私のとっては願ったりかなったり。それ以外に、星嶺(せいれい=日蓮宗の信徒会館で、能勢氏の家紋をかたどった星形の施設)や鳥居(日蓮宗のお寺なのに神社の鳥居があるのは神仏習合のなごり)が目を引きましたが、宗教には興味がない私のとっては、どうでもよいものばかり。

馬のおみくじも、カフェテラスの食事も、ボッタくり価格だったので利用せず。食事は別の休憩施設のおにぎりセットで済ませました。おにぎり2個と味噌汁で850円。これもボッタくり価格でしたが、カフェテラスの1500円もするピザセットや、1600円もするガレットのセットと比べたらまだマシかと。ふきの佃煮のおにぎりや、きのこたっぷりの味噌汁は、それなりに美味しかったですが。

帰りのリフトとケーブルカーも長蛇の列で、朝9時に大阪を発ったのに、帰って来たらもう夕方5時前になっていました。ケーブルカーとリフトが廃止に追い込まれたのは、妙見山自体が、世界遺産の高野山や、遊園地のある生駒山と比べると地味な事や、レジャーの多様化、コロナ禍の影響もありますが、それよりも最大の原因は、このアクセスの悪さにあると思います。

川西能勢口、山下、妙見口、ケーブル、リフトと5回も乗り換えなければならない上に、妙見口からケーブルまで、ケーブルからリフトまで、急な坂を上らないといけないのです。これでは誰でも敬遠してしまいます。地形的な要因や、駅前に駐車スペースがなく、バスで直通するのも難しかったから、このような形にせざるを得なかったのでしょうが。

このケーブルカーを設置したのは能勢電鉄です。中小の鉄道会社にとっては、ここまでするのが精一杯だったのでしょう。しかし、その能勢電鉄を傘下に収めた阪急の資本力なら、それをカバーする事も出来たはずです。自動車なら山頂まで行く事が可能なのですから。別ルートで黒川まで鉄道で乗り入れ、黒川からケーブルカーで山頂まで乗り入れるなり、川西能勢口や千里中央からバスで直接山頂まで乗り入れるなぞ、他に方法がいくらでもあったはずです。

しかし、阪急はそれをせずに、安易にケーブル・リフト廃止で乗り切ろうとしています。しかし、それでは地域はますます衰退する一方です。ケーブル廃止だけに留まらず、能勢電鉄の山下・妙見口間もやがては利用客減で廃止に向かうでしょう。別ルートで黒川まで鉄道で乗り入れていたら、妙見の森の遊覧鉄道も、廃止せずに賑わっていたかも知れないのに。ブナの原生林も、貴重な観光資源として、林業再生の決め手になっていたかも知れないのに。阪急も、地球温暖化防止やサステナブル、SDGs(持続可能な開発目標)を社是で掲げるなら、それぐらいしたって良いのではないでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする