拉致被害者の蓮池薫さんが北朝鮮に連れ去られた後、工作員として日本に再上陸して自らも拉致を行っていたという記事が、今週発売の「週刊現代」に掲載されています。
この話が拉致板界隈で話題になっていた事は、私も数日前に知りましたが、私はてっきりガセネタだと思っていました。確かに今になって考えてみれば、北朝鮮に拉致されたり渡ったりした人が、彼の地で洗脳されて工作員として再び日本にやって来る可能性も、必ずしも無きにしも非ずです。実際、有本恵子さんを拉致したよど号ハイジャック犯の八尾恵の例もあります。ただ、まさか蓮池さんもそうかも知れないとは、ちょっと考えられませんでした。但し万が一その可能性があったとしても、指弾されるべきなのは蓮池さんでなく、彼を無理やり工作員に仕立て上げた北朝鮮政府の方ですが。
だから「週刊現代」がその記事を載せたのを目にした時には我ながらびっくりして、早速昨日その雑誌を買って読みました。当該記事の要旨は、1986年3月に、当時愛知県下の小学校教員だった横井邦彦さんという人が、校内の体育館で蓮池薫さんに拉致されそうになったというものです。その人は教員を辞めて参院選の候補者として政治活動に専念しようとしていた矢先だったので、「国政選挙の候補者を拉致したら日本中が大騒ぎになるぞ」と一喝して、危うく難を逃れたのだそうです。
昨日の段階では「週刊現代」の当該記事を読んで、特定失踪者調査会の荒木和博さんの「その可能性は否定出来ない」というブログ記事の影響もあり、何よりも実名での告発が為されたという事で、私も少し色めき立ちましたが、冷静に考えたら細部では色々と辻褄の合わない事があるようです。下記のYouTubeのビデオの中で重村智計教授が指摘している様に、最初から北朝鮮から工作員として来た事を匂わすような事をいきなり初対面の人間に言っていたり、人影の無い山奥とかではなくわざわざ街中の小学校に入り込んできて拉致工作に及んだりとか。私も疑問に思ったのは、何故よりによって社会主義労働者党などという、左派ではあるが必ずしも北朝鮮べったりでもない泡沫政党の候補者を、わざわざ拉致しようとしたのか、という点です。
その一方で、政府や「救う会」は、当の拉致被害者本人には一切何も語らせる事無く、常に自分たちが全面に出て当事者の意向を代弁するという形で対応してきました。この事が逆に、政府や「救う会」は、自分たちにとって都合の良い情報だけを公式発表として小出ししているのではないか―という疑念も、どうしても払拭する事が出来ないのです。これはメディア・スクラムから当事者を守る為の措置だと政府は主張するのでしょうが、それも程度問題です。今の様な政府広報・官製報道一点張りの対応が、逆に興味本位の憶測や疑念を増幅している面もあるのではないでしょうか。
まあ、今回の「謎」についてはとりあえず見解保留という事で、参考資料だけ覚書としてリストアップしておきます。
・蓮池さんが日本人拉致? 「週刊現代」特ダネの真贋(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2006/12/26004615.html
・「蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた」(週刊現代)
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/061228/top_01_01.html
・「週刊現代」拉致関連記事の怪しさ(ぼやきくっきり)
横井邦彦氏が自分のブログ「労働者のこだま(国内政治)」に掲載していた、「週刊現代」特ダネの元の体験談(現在は前記の横井ブログからは削除されている)が収録されている。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid209.html
・蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=dxMVaSBxY34
・蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=yuVxShFLAvY
・荒唐無稽な拉致記事-週刊現代に蓮池薫さんが抗議文(救う会ニュース)
http://www.sukuukai.jp/houkoku/log/200612/20061216-2.htm
・「週刊現代」の記事について(特定失踪者問題調査会ニュース)
http://www.chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news061226.TXT
この話が拉致板界隈で話題になっていた事は、私も数日前に知りましたが、私はてっきりガセネタだと思っていました。確かに今になって考えてみれば、北朝鮮に拉致されたり渡ったりした人が、彼の地で洗脳されて工作員として再び日本にやって来る可能性も、必ずしも無きにしも非ずです。実際、有本恵子さんを拉致したよど号ハイジャック犯の八尾恵の例もあります。ただ、まさか蓮池さんもそうかも知れないとは、ちょっと考えられませんでした。但し万が一その可能性があったとしても、指弾されるべきなのは蓮池さんでなく、彼を無理やり工作員に仕立て上げた北朝鮮政府の方ですが。
だから「週刊現代」がその記事を載せたのを目にした時には我ながらびっくりして、早速昨日その雑誌を買って読みました。当該記事の要旨は、1986年3月に、当時愛知県下の小学校教員だった横井邦彦さんという人が、校内の体育館で蓮池薫さんに拉致されそうになったというものです。その人は教員を辞めて参院選の候補者として政治活動に専念しようとしていた矢先だったので、「国政選挙の候補者を拉致したら日本中が大騒ぎになるぞ」と一喝して、危うく難を逃れたのだそうです。
昨日の段階では「週刊現代」の当該記事を読んで、特定失踪者調査会の荒木和博さんの「その可能性は否定出来ない」というブログ記事の影響もあり、何よりも実名での告発が為されたという事で、私も少し色めき立ちましたが、冷静に考えたら細部では色々と辻褄の合わない事があるようです。下記のYouTubeのビデオの中で重村智計教授が指摘している様に、最初から北朝鮮から工作員として来た事を匂わすような事をいきなり初対面の人間に言っていたり、人影の無い山奥とかではなくわざわざ街中の小学校に入り込んできて拉致工作に及んだりとか。私も疑問に思ったのは、何故よりによって社会主義労働者党などという、左派ではあるが必ずしも北朝鮮べったりでもない泡沫政党の候補者を、わざわざ拉致しようとしたのか、という点です。
その一方で、政府や「救う会」は、当の拉致被害者本人には一切何も語らせる事無く、常に自分たちが全面に出て当事者の意向を代弁するという形で対応してきました。この事が逆に、政府や「救う会」は、自分たちにとって都合の良い情報だけを公式発表として小出ししているのではないか―という疑念も、どうしても払拭する事が出来ないのです。これはメディア・スクラムから当事者を守る為の措置だと政府は主張するのでしょうが、それも程度問題です。今の様な政府広報・官製報道一点張りの対応が、逆に興味本位の憶測や疑念を増幅している面もあるのではないでしょうか。
まあ、今回の「謎」についてはとりあえず見解保留という事で、参考資料だけ覚書としてリストアップしておきます。
・蓮池さんが日本人拉致? 「週刊現代」特ダネの真贋(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2006/12/26004615.html
・「蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた」(週刊現代)
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/061228/top_01_01.html
・「週刊現代」拉致関連記事の怪しさ(ぼやきくっきり)
横井邦彦氏が自分のブログ「労働者のこだま(国内政治)」に掲載していた、「週刊現代」特ダネの元の体験談(現在は前記の横井ブログからは削除されている)が収録されている。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid209.html
・蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=dxMVaSBxY34
・蓮池薫さんは私を拉致しようと日本に上陸していた 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=yuVxShFLAvY
・荒唐無稽な拉致記事-週刊現代に蓮池薫さんが抗議文(救う会ニュース)
http://www.sukuukai.jp/houkoku/log/200612/20061216-2.htm
・「週刊現代」の記事について(特定失踪者問題調査会ニュース)
http://www.chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news061226.TXT
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/005499f2dbaa69bb4a6dea63f130a213
当ブログでは、旧掲示板時代から、「名無し」などの捨てハンドルの方についてはご遠慮願っています。ブログにおける「Unknown」というのは、謂わば、旧掲示板における捨てハンドルに相当するものだと理解しています。当方も今回はうっかりしていて、コメント公開後に苦言を呈する形になりましたが、次回投稿時からはその点もお含み戴きます様、お願いします。