※記事のタイトル名変えました。
従業員のストレス度を測定する必要があるからと、定期健診とは別にストレス診断も受けなければならなくなった。じゃあ、電通の過労死事件がなぜストレス診断で防止できなかったのか?賃金や有休消化率を引き上げ、サービス残業やパワハラ・セクハラを無くせば、わざわざストレス診断なんてする必要無い
ストレス診断では、職場の作業環境や人間関係でストレスを感じるかどうかを尋ねる質問に答えると、自分のストレス点数が分かるが、そんな点数知った所で一体何になる?肝心のストレスの元を取り除いてくれなければ点数も減らし様がない。ストレスの元を取り除くのは労働者ではなく会社の仕事だろうが!
国が本来やるべきブラック企業規制や格差是正をサボり、ストレスも受動喫煙も過労死も、個人の責任にすり替えてしまう所に、ストレス診断の真の狙いがある。診断の設問に、ストレスの具体的内容を問う物が皆無だったのが、その何よりの証拠だ。余り労働者に物を考えさせず、気の持ちようで全て誤魔化す
ウチの職場は、残業時間の割には消耗度がキツイと皆言う。たとえ1日1時間程の残業でも、終わったらクタクタになる。何故そうなるかと言えば、人を物扱いし、毎日がフルマラソンの、チャップリンのモダンタイムスみたいな働かせ方をしているからだ。そこを是正せずに、何が働き方改革、ストレス診断か
ストレス診断の嘘を見破る事が、共謀罪の嘘を見破る事にも言える。一見、無関係に思える両者も、根っ子は同じだという事に最近気づいた。それは、政府や企業の言う事を安易に何でも信用しない、「何でも自分が悪い」と思わない事。正しい事は正しいと言える勇気に支えられた、ある種の楽天的開き直り
成立してしまった共謀罪に対抗するには萎縮しない事だ。蟹工船(缶詰工場が併設された蟹漁船)の小説にもある通り。最初は少数派のストに止まったから簡単に鎮圧されてしまったが、全員でストに決起すれば、洋上で代替要員も確保できず、ブラック企業と言えども成す術は無かった。その蟹工船をそのまま日本に見立てれば良いのだ
「蟹工船」とは、北洋漁場で操業する蟹工船内の搾取に抗する労働者の闘いを描いたプロレタリア文学の傑作だ。戦前の小説だが、今の派遣切りやブラック企業にも通じると話題にもなった。数年前に農薬混入事件でブラック企業ぶりが指弾されたアクリフーズも、小説のモデルになったマルハニチロの系列だ
国会で強行成立されてしまった共謀罪も、証拠がなくても共謀したと見なされるだけで逮捕されると言うが、そもそも業務改善や労働条件向上を共謀して一体何が悪いのか?それがテロとどう関係があるのか?皆んながそう開き直れば、幾らテロリストだとデッチ上げられても、デッチ上げ自体が説得力を失う
小林多喜二・原作、イーストプレス・刊「蟹工船 まんがで読破」より
しかし、全国民によるゼネストなぞ一朝一夕には実現できない。では、それまでどうすれば良いか?黙って上の言いなりになるしかないのか?そうじゃないだろう。労働基準法や労働組合について学ぶだけでも全然違う。幾ら法律で権利が保障されていても、それを活用する気がなければ宝の持ち腐れにしかならず
共謀罪の対象になる組織的犯罪集団とは2名以上の団体を指す。警察が認定すれば一般の市民や団体も知らないうちに指定される。その一方で、右翼や暴力団については野放し。ロンドンの自爆テロも防げなかった。共謀罪の真の狙いは、PTA見守り隊などによる市民監視にある。テロ対策なぞ口実でしかない
国家だけでは国民全員の監視は出来ない。だから、戦時中に隣組を作って隣近所で互いに監視させたのだ。そこでは、単にお上に逆らわないだけでなく、積極的に政府の施策に協力する事が求められた。戦時中の空襲で多くの犠牲者が出たのも、避難を禁じられバケツリレーに参加を強制されたからだ。
昨今、警察24時などのテレビ番組の影響で、警察力さえ強化すれば市民の安全・安心が守れる、テロ対策さえ唱えれば何でも通用するかのような誤解が蔓延している。しかし、警察や軍隊が守るのはあくまで国家権力であって、市民の安全なぞ二の次でしかない。詩織さん準強姦もみ消し事件がその良い例だ
6月15日早朝4時半からのNHKニュース放送順。①野際陽子死去②北朝鮮拘束米国大学生の父親が北朝鮮非難③ヤマハが自動走行カー開発④天空ポストの思い出⑤東日本大震災の経験談…。なぜ前日の共謀罪成立、国会手続きを捻じ曲げ法案を強行可決した暴挙を伝えない?御用新聞ですら可決の事実は伝えたのに!
今も全国各地で共謀罪反対の抗議行動が続いている。千葉県成田市の国際医療福祉大学でも、国家戦略特区絡みの「第3森友、第2加計」疑惑が浮上している。外国メディアも競ってこれらの問題を報じ始めている。知らぬは御用メディアの報道を鵜呑みにし、「世の中は変わらない」と嘯いているバカだけだ
最初、会社に業務改善や労働環境の改善を面と向かって要求するのは私だけだった。だから最初は、下請けのバイトの癖にと疎んじられ、上司やその取り巻きから目の仇にされた。しかし、徐々に仕事の成果が現れ労働条件も改善されるに従い、誰も私の事を無視できなくなった。奴隷根性からは何も生まれない
「とりあえず鬼監督の指示に従ってれば殺される事はないだろう」という意見に対し、「今でも徐々に小刻みに真綿で首を絞められる様に殺されている。皆んな本当にそれで良いのか?」という反論が決め手になり、労働者がストに決起した蟹工船の場面を今こそ想起せよ。どんなに深い夜でも明けない夜はない