アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

何でも秘密にするな!自分勝手に憲法変えるな!

2014年07月07日 22時47分43秒 | 何でも秘密ではなく積極的に情報公開


 昨日7月6日15時から大阪の扇町公園で行われた野外集会「平和主義が危ない!秘密保護法廃止!!」」に参加して来ました。

 会場の扇町公園グラウンドには15時の集会開始直前に着きました。既に地下鉄扇町駅を降りた時から、会場へと向かう人の波が絶え間なく続いていました。会場入り口では集会参加の個人や団体が、秘密保護法や集団的自衛権への反対を掲げ、ビラをまいたり署名を集めたりしていました。ビラだけでなく「これで分かった!超訳 特定秘密保護法」という本の販売もしていました。決して安い本ではなく、雨も降り出し荷物を余り抱え込みたくなかったので、あいにく書籍購入までは至りませんでしたが。内容的には決して関心が無い訳ではないので、同書の購入についてはまた別の機会にでも考えてみたいと思います。

 「特定秘密保護法」(単に「秘密保護法」「秘密法」とも言う)というのは、言うまでもなく、昨年に過半数以上の世論の反対を押し切って国会で強行可決された法律です。「外国のスパイやテロ組織から国の秘密を守る」と言うのが、この法律の大義名分ですが、「何が秘密?それも秘密」と言われる様に、どれが秘密かを決めるのも政府自身です。「国を守る為」と言い訳さえ出来れば、政府にとってどんなに都合の悪い事実でも秘密にする事が出来ます。これでは例えば原発事故の原因や、その後の放射能拡散予測データ(SPEEDI)の情報隠蔽でかえって被曝を広げてしまった事も、全て闇から闇に葬られてしまいます。

 何の為にそんな法律を作ったか。全ては戦争準備の為です。「集団的自衛権」容認で、戦争放棄を定めた憲法9条を骨抜きにし、自衛隊が海外でも戦争を出来る様にする為です。「集団的自衛権」と言うのは、簡単に言えば「他国の戦争に参加する権利」の事です。「自衛」と名が付いていても、決して日本を守る為の物ではありません。他国、具体的に言えば「米国の戦争の肩代わり、使い走りを一方的にさせられる」事でしかない。どうせ政府は「テロとの戦い」とか「中国・北朝鮮から日本を守る為」とか言って誤魔化すでしょうが、それらは全てデタラメです。全ては、米国が一方的に引き起こしたアフガン戦争やイラク戦争などを日本にも肩代わりさせる為です。その為に、今までは「憲法9条で戦争を放棄し、海外には出て行かない」と言っていたのを、政府の一方的な憲法解釈の変更だけで、何でも秘密にして国民の目と耳をふさぐ中で、今後はたとえ憲法9条があっても戦争参加も海外派兵も出来るようにしようと企んでいるのです。

 今回の集会は、その「秘密保護法」と「集団的自衛権」の二つに反対する為に、大阪弁護士会が主催し各種の団体や個人が参加した物です。

 

 会場に着いた時に降り始めた雨はやがて本降りとなり、グラウンドは聴衆の傘で更に身動きが取れなくなりました。その為に、せっかく集会に多くの著名人が駆けつけ、熱弁をふるってくれたにも関わらず、その姿を写真に収める事が出来ませんでした。集会終了間際になって、ようやく最前列の演壇の前までたどり着く事が出来ました。
 雨の中でメモもまともに取る事が出来ませんでしたが、その中でも、「安倍首相は二言目には中国に「法の支配を守れ」と言うが、自分自身は一体どうなのか。本来、憲法解釈は裁判所の仕事なのに、三権分立も無視して、数の力だけで勝手に解釈変更しようとしている。一番法律を破っているのは安倍首相自身ではないか」「米国自身も米軍は米国市民しか救出しないと言っているのに、邦人救出の米軍艦船を守れなくてどうするのだと、嘘までついて集団的自衛権を認めさせようとしている」(民主党・辻元清美議員)や、「法律の上に安倍首相がいるのではない。法律があくまで優先で、安倍首相もその法律の下にあるのだ」(社民党・福島瑞穂議員)という発言が印象に残りました。

 そして、会場の多彩な顔触れにも目を奪われました。色とりどりのプラカード(最近はフライヤーとも言うらしいですが)や上空に浮かぶアドバルーンには、大阪労連や憲法会議、新日本婦人の会などの共産党系団体から、全港湾、自治労、ふぇみん大阪などの社民党系や独立系の労働・市民団体の物がありました。それだけでなく、民主党や生活の党の関係者や、「全日本おばちゃん党」などの市民グループ、今まで聞いた事もなかった名前の環境保護団体の代表まで弁士に登場して、今までの保守や革新の垣根を越えて、多くの人が秘密保護法や集団的自衛権に反対している事に勇気づけられました。

 集会は16時まで続きました。最終的には主催者発表で5601名もの方の参加があった事が報告されました。集会の後は3コースに分かれてデモ行進です。私は「秘密保護法反対ロックアクション」の方々と一緒に、扇町から梅田新道の方に出て西梅田までのコースを歩きました。

  

  

  

 「秘密法廃止!」「情報公開!」「隠すな知らせろ!」「人権守れ!」「憲法守れ!」「安倍は辞めろ!」「集団的自衛権反対!」「憲法壊すな!」等々のシュプレヒコールが、ドラムや音楽の波に乗って、曽根崎新地や北新地、大阪駅前のビル群に響き渡りました。

 

 そして17時過ぎに、ゴール地点の、阪神高速ガード下の西梅田公園に到着しました。このコースは、確か以前参加した脱原発デモの時にも歩いた事があります。

 集会・デモの報告は以上ですが、何故、どこの組織にも属していない一介の中年フリーターにしか過ぎない私が、毎回この様に、自分からわざわざネットで情報を拾い集めてまで、地元・大阪の反原発デモや秘密保護法反対デモに飛び入り参加するのか。それは、単に「戦争が怖い」とか「平和が良い」とかだけではなく、それ以前に、自分の人権が踏みにじられるのが嫌だからです。

 安倍政権が目論んでいるのは秘密保護法や集団的自衛権だけではありません。消費税増税とセットの法人税減税(庶民増税・金持ち減税)や、日本の農業・医療も米国に差し出してしまうTPP(環太平洋経済連携協定)、「残業代ゼロ法案」や解雇規制緩和(クビ切り自由化)、生活保護基準切下げなど、他にも弱い者虐めの政策が目白押しです。
 この事からも明らかな様に、安倍政権が目論んでいるのは、強い者だけが富み栄え、貧乏人は金持ちの奴隷に甘んじなければならない「富国強兵」「弱肉強食」の社会です。先日の都議会でのセクハラ野次も、野次ったのは自民党の保守派議員でした。これらの保守派人士はよく「愛国心を持て」だの「道徳教育が大事だ」と言いますが、自分たちが実際にやっているのは、女性差別のセクハラ野次であったり、弱い者虐めの政策でしかない。彼らにとっての「国」とは、「国民不在、人間不在」の「国家権力、お上」第一の思想でしかない。私に言わせれば、彼ら保守派こそが最も「非国民」であり「道徳に反する存在」です。
 「秘密保護法」や「集団的自衛権」も、そんな奴等の利権(海外の油田・ウラン鉱山採掘権など)を守り、国民の批判を抑えつける為の物でしかない。むしろ、更に「弱肉強食」となり、貧富の格差が広がった方が、奨学金などを餌にして、自衛隊の勧誘もしやすくなるというのが奴等の本音ではないか。

 私はそんな社会はゴメンです。でも、黙っている限り世の中は絶対に変わらないし、それでは自分もそれを認めた事になってしまいます。よく「自分は心の中では反対だが、今更それを言っても仕方がないので、今目の前にある現実を生き抜く事だけを考えるのだ」と言う人がいますが、いくら本人はそのつもりでいても、その現実を変えようとはしない限り、結局は「誰かを踏み台にして自分だけが助かれば良い」というエゴイズムに絡み取られてしまうだけです。そんな事では、いつか自分も逃げ切れずに踏み台にされてしまいます。デモ行進のプラカードにもあったように、沈黙は美徳でも何でもない。「沈黙は服従」でしかないのです。

 そんな私を指して、「中国・北朝鮮の回し者」呼ばわりする輩もいるようですが、とんでもない。本当に中国や北朝鮮の、人権抑圧や少数民族抑圧、軍国主義を非難するなら、同じ立場で安倍政権や自民党の、人権抑圧や弱い者虐め、軍国主義を非難しなければ筋が通りません。勿論、同じ事は私にも言える訳で、安倍政権批判と同じ立場で中国や北朝鮮も批判しなければならない。そういう点では、日本の左派も私自身も、まだまだ至らない点はあるのは承知しています。例えば、最近は北朝鮮拉致問題についての言及がほとんどない点についても、反省すべき点は多々あると思います。

 でも、今一番問題になっているのは、安倍政権の「富国強兵」「弱肉強食」政策をどう食い止めるかでしょう。この私にとって最も緊急かつ身近な問題をさし置いて、拉致問題もクソもないと思います。逆に、日本の「富国強兵」「弱肉強食」を批判できてこそ、中国や北朝鮮の「富国強兵」「弱肉強食」にも初めて徹底的に批判できるのではないでしょうか。日本の自由抑圧に抵抗できてこそ、彼の国の自由抑圧にも抵抗できると思います。少なくとも、平気で女性差別の野次を飛ばし、ブラック企業の肩を持つような輩が、中国・北朝鮮問題でいくら「自由」や「人権」を主張しても、そんな輩に人権問題が解決できるとは思いません。

 昨日の大阪だけでも5千人以上が集まった集会・デモも、翌日の今日取り上げているのは、下記の西日本新聞の様な限られたメディアばかりです。他はみんな、ワールドカップや兵庫の号泣県議の様な「スポーツ記事」「三面記事」ばかり。「スポーツ記事」や「三面記事」も確かにニュースには違いありませんが、少なくとも秘密保護法や集団的自衛権のニュースよりも大事だとは、私には全然思えません。これは私だけでなく他の人も大なり小なり感じている事でしょう。この自国の陰湿な情報統制を問題にせずに、いくら他国の事ばかり言われても、全然説得力はありません。

 秘密保護法は昨年に強行可決されてしまいましたが、施行も関連法案の整備もまだまだこれからです。集団的自衛権に至っては、まだ閣議決定されただけです(この事自体は非常に憂慮すべき事ですが)。今後は山ほどある関連法案の作成、上程、改正(改悪)をしなければなりません。いずれにしても数年がかりの作業となります。もう残された時間は余りありませんが、まだ諦めるには早いと思います。職場の労働問題と同様に、民主主義も先に諦めた方が負けです。

・集団的自衛権、反対集会に5千人 大阪弁護士会、平和主義訴え(7月6日付、西日本新聞)

 安倍晋三政権が集団的自衛権行使容認を閣議決定したことや、12月までに施行が予定されている特定秘密保護法に反対する集会が6日、大阪市内で大阪弁護士会の主催により開かれ、約5千人が「平和主義を守り抜こう」などと声を上げた。
 社民党の福島瑞穂参院議員も姿を見せ、行使容認の閣議決定について「安倍政権は憲法を踏みにじっている」と指摘。特定秘密保護法に関しては「国民に情報を出さず、うそと捏造が始まり、戦争に突入することになる」と危機感を訴えた。
 大阪弁護士会の石田法子会長は「政府が憲法を破壊するような行為は認められない。反対の声を一つにしよう」と呼び掛けた。
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/99632
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