脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

生きる力

2008年01月09日 | かくしゃくヒント

このアマリリスを見てください。

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http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20071226のアマリリスが年を越してまた開き始めました。
P1000004 実はこのアマリリスは二鉢求めたのです。一鉢目は、あっという間に花茎を伸ばし12月7日にもうここまで開いていました。
成長の速さと花の豪華さは、私をびっくりさせてくれましたが、それでおしまい・・・

ところで、今朝のTVで、「リハビリの力」を再認識したというテーマの報道がありました。
歩きたい、トイレは自力で、階段を登りたい、自宅に帰りたいetcの患者さん本人の希望があるとき、リハビリをすることによって、考えられないほどの回復を見せるという趣旨でした。
それは「リハビリの力」だけなのでしょうか?

必要条件は、「~したい!」「~するぞ!」という「強い意志」ではないのでしょうか?
同じ状態になった時、強い意志ををみなぎらせることができる人とヘナヘナとなってしまう人がいます。
その違いは何なのでしょうか?
P1 答えは、簡単すぎてごめんなさい、前頭葉の違い。
ごく少しの生まれつきの気質というようなものの差も否定はできませんが、前頭葉は体験の脳。体験しては、それに評価を行い、さらに体験を積み重ねてその人の「色」を作り上げていきます。

「十人十色」の「色」は、まさに前頭葉の違いを表す言葉です。

子どもは、自分のやったことについて快・不快や好き嫌いはあっても、正しく評価することができません。
だから、子どものうちは親の評価が前頭葉の方向性を形作っていきます。その成功体験や失敗体験の積み重ねのうちに思春期になって、自分の意志で自分の人生を切り開き、自分らしく生きていくのです。
その遥か先に、老年期になって、特にいろいろな悪条件が立ちはだかってきたときに、どう生きるかの差が生まれると、私は思っています。

こう考えていくと、ボケの予防は子どもの教育から始めなくては、なし得ないことになってきますね。
P2 植物には意志はないでしょうから、もともと白のアマリリスが持っていた生きる力と、赤のアマリリスが持っていた生きる力の違いが、水も太陽も同じだったのにアマリリスの一生をこれほど違えてしまった・・・植物は仕方ないかもわかりません。

でも、人間は一生を自分で作っていけるのです。自分の前頭葉で自分の人生を自分らしく駆け抜けることができるということを、皆さんに知っていただきたいと思います。ただしその前頭葉は、それまでの生き方で形作られ色づけられているということも。

四国に友人がいます。
その友人のお父さんの話です。
89歳のN田Y治さん。4年前に奥様に先立たれて一人暮らしをされています。奥様が亡くなったとき、どうやってお父さんの面倒を見たらいいのかと皆さんで話し合ったそうです。
結論は、ご本人が当たり前のようにいわれた「この自分の家で、一人で暮らすに決まっている」という言葉を尊重することになりました。近所に嫁いだ娘二人、友人はかなり離れていますが月1回は顔を出すということになりました。
家事はすべて奥様がされていたわけですから(年齢を考えてください)娘さんたちは、本当に心配だったそうです。
ところが、食事作りの手ほどきを受けると、TVやその他の情報を上手に生かし工夫した料理が並ぶようになりました。「お母さんの味」を真似てお漬物作りにも挑戦。友人がいつ行ってもきちんと家は整えられ、庭の花作りも始まりました。その花はお仏壇に飾るための花!
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友人が言います。
「人って、何歳になっても成長できるのね。父を見るといつも勇気が出ます。お正月に帰ったら、家だけでなく、神棚の掃除からお墓の掃除まで私がやるよりきれい!お墓には庭の花がてんこ盛りに供えられていて、お母さんも喜んでいるでしょう」
私が答えます。
「以前いただいたお手紙に、それは厳しい戦争体験が綴られていて、そのときに生きていることに感謝して楽しく幸せに生きることが大切だと思ったと書かれてあったけど、それが原点かしら。でも同じような厳しい体験をしても、そんな結論になる人ばかりじゃないし、結局はそのように考えられるパーソナリティ(まさに前頭葉)を育まれたお母さんがいらっしゃるということじゃない?」
友人
「父の兄弟は皆おもしろい人ばっかりです。いろんなことをやっていて皆仲良し。貧しかったけどいい家庭だったということかなあ」
「父を見ていてもう一つ思うことがあるの。『お父さんががんばっている。今度はこれができるようになった。今度はこれを工夫した 』と見守る眼があると、それを支えによりイキイキと生きていけるみたいなの」

「人は一人で生きるようにはなってないから」
友人
「別の話だけど、こんな話も聞いてね。父より1歳年上の人なんだけど、歯茎にガンができて手術したの。高齢だから躊躇したけど、手術は無事終了。ところが、飲み込めなくなってしまってその結果・・・」

「体調が良くなったんでしょ」
友人
「そう!栄養は点滴で完璧なんだけど、食べられないから退院はどうなるのか?こういう状態で生き続けることはどんな意味があるのか?もともと会話は一方通行だった、つまりオーダーのみだったので、人の言うことに耳を傾けることを知らないの。どうすることが一番いいのか、いろいろ考えさせられてます」

「別の話じゃなくて、お父さんの話と表裏一体の話よね」

皆さんも、ボケ予防って何なのか考えてみてください。
今日の白い花はウインタークレマチスです。


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