遅ればせですが、先日栗原市での保健師さんたちの勉強会で見せていただいた資料を紹介します。
今日の写真は晩秋の蓼科 です
教室は志波姫地区と花山宿地区。
それぞれ5ヶ月間で6回の開催でした。
集団かなひろいテストを教室の前後で実施していました。
(無論、不合格者への個別指導はされたそうですよ)
前後とも実施できた人が、A教室は30人中23人。B教室は24人中6人。
こういう数値に出会うと、いつも感じるんです。
「住民のみなさんに、というより保健師さん達のほうにも『テストをする』ことに対して、抵抗があるんだろうなあ」
テストは、生活実態を知るために行います。
なぜ生活実態を知らなければいけないかというと、その人の「脳の健康」を維持改善するための「生活指導」を行うためなのです。
評価を目的にして行うテストではありません。
普通のテスト、学校で行われるようなテストは評価を目的にしています。
どのくらい理解できているか、合格か不合格か、順位をつけるための場合だってあるでしょう。もちろん、結果ははいい方がいい。
血圧測定も数値が出てきますが、上記のテスト結果とは違う取り扱いをしませんか?
血糖値も肝機能や腎機能の数値だって、もちろん正常値の意味は十分にありますが、むしろ異常値を検出できた時に、検査の意味があったと保健師さんたちは思うのではないでしょうか?
脳機能テストの結果は、どちらの取り扱いをするべきものでしょうか?
当然、血圧値、血糖値、肝機能や腎機能の数値と同じように取り扱うべきものですよね。
ところが「脳機能」をターゲットにしているものですから、どうしても、学校でのテスト結果と同じように感じてしまうのではないでしょうか。
結果はいい方がいい。
つまり、不合格の場合は「頭の働きがよくないことを明らかにしてしまった。隠したかったでしょうに。ごめんなさい」というような気持ちになってしまうのではないかと思うのです。
ここでもう一度原点に戻ります。
テストをする時に、私たちが立つスタンスは
「この人は、普通に見えるけれども、生活をする上で困ったことは起きてないだろうか?」です。
成績優秀なら「困ったことはおきてない」ことがわかるだけ。
不合格なら「困ってることをわかってあげられる」そしてさらに大切なことは
二段階方式の手法を使えば「なぜ、そうなったのか。どのようにすれば改善させられるのか」を一緒に考え指導することが出来るのです。それが生活改善指導。
これが目的なのです。
前後比較すると、維持・改善した人80%以上です。数値で喜ぶために実施したテストではありませんが立派な実践結果が出ています。
この事業の評価は有効率(維持・改善した人の割合)82.8%の数値に表れています。
もっとこの事実に自信を持ってほしいと思いました!
維持・改善したこの人たちにとっては、この教室に参加したことによって「脳の健康」を保ち続ける生活に明らかに一歩近づいたということになります。
そのとおりに伝えてあげて、自信を持って毎日を暮らすように指導してください。
低下した人たちには、更なる生活改善指導が必要になります。
何が足りないのか。あるいは脳機能を低下させる要因がさらに発生したのか。
勉強会では、担当した保健師さんはその生活上の変化を把握していました。
脳機能と生活実態とが一致することが実感されるまで、もう一息ですよ。
教室実施の効果が数値的に出ていることに注目するのではなく、あくまでも個別の経過をよく見てあげることです。
こういう数値を見ると、検査できなかった人たちに対して、「申し訳ない」というか「検査してあげられなくてごめんなさい」というような印象が沸いてきませんか?
検査は「その人のためにしてあげるもの」です。
そのために必要な条件として
①テストがスムーズにできる
②テスト結果の解釈ができる
③生活歴の聞き取りができる
④生活指導ができる
などがあげられるでしょう。
①は練習と実践あるのみ
②はちょっと勉強
③はちょっと勉強そして実践
④は今回の教室で、改善できた人たちが生活改善の意味を教えてくれるはずです。
脳の使い方を変えることで 、脳はいくらでもイキイキとしてくるものですよ。