脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

りんがふらんかでお正月

2022年01月05日 | 私の右脳ライフ

去年オープンしたりんがふらんかに行きました。「リンガフランカ」は違う母語を持っている人たちの共通語というような意味ですが、伊豆高原のりんがふらんかは入場無料のミュージアム。もともと、城ケ崎文化資料館といって全国各地から長い年月をかけて収集したおもちゃや生活用具などのレトログッズや文化財、民俗資料の博物館でした。それを上手にリノベーションして企画展のためのギャラリー、まなびやステーション、収蔵品の展示エリア、観光インフォメーションなどなど多面性を持つコミュニティセンター的な施設に生まれ変わりました。
毎回の企画展はバラエティに富んでいて、切り盛りなさっている安田支配人のセンスにあふれています。2022年最初の展示は浮世絵展。
入り口でポスターを確認しました。

午前中に生けこみがあったそうです。玄関わきのコーナー全体を使った大きな作品がお正月らしさの演出に一役買っていました。

りんがふらんかは昔の建物を生かして小屋組みをそのまま見せることで、高い天井が解放感とモダンさを感じさせてくれます。展示場所も床も無垢の木ですから、それもまた好印象。

近づいてびっくり、有名な作者、作品のオンパレード。浮世絵ですから、版木があって摺り師がいれば作品はできるわけです。考えてみれば当然のことですが、歌麿、北斎、写楽!
2017年には「浮世絵を体験する」という新しい切り口の展覧会にも行きました。「日本橋でスーパー浮世絵展を見る」
去年は「巨大映像で迫る五大絵師 北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界」展で3面ワイド45mというスクリーンで巨大な映像も見ました。
うーん。もともと浮世絵は手に取って眺めたものでしょう?今あげた大きな展覧会にもその良さを言う人たちはいると思いますが、りんがふらんかの目の前にある作品は息づいているようでした。大きなファイルブックに美人画がたくさんセットされていて、めくって見られるというあまり考えられないような企画もありました。確かにポスターにはちゃんと「手刷り木版画」とうたってましたが、特にインパクトを感じるでもなく入場し、生の作品を見て初めて「うわー、なんという眼福」。左脳で言葉を理解しても、上滑りになることはよくあります。右脳の直接的な刺激は、無視できないことを実感しました。

左『凱風快晴』右『深川万年橋下』
仕事で10年以上毎年2回、小布施に行っていますから、特に北斎は親しみがあります。北斎の名がある展覧会などにはできるだけ足を運びたくなるのです。
「冬晴れの一日、美術館巡りーすみだ北斎美術館」
「取りまとめて右脳訓練の報告ー展覧会」
東京の展覧会と違って、これだけ近くで、多くの人に煩わされることもなくゆっくり堪能できました。

『山下白雨』

『神奈川沖裏富士』は大きさの違うものが三種類展示されていました。当然のことながら多少は色も違い、それがまた手刷りの特徴を伝えてくれて近くで見られて幸いでした。
上の写真の手前は版木です。人気作品の版木はすり減るので作り直しが必要ということでしたが、江戸時代の古い版木もあるそうです。
現在でも、彫り師も摺り師もいて浮世絵の伝統は守られていると伺い、ちょっと安心しました。

ばれん。道具に見られる「用の美」

ITOまなびやSTATIONでは͡鏝絵の展覧会が開催中でした。東伊豆町在住の大内守さん(87歳)

石灰、フノリ、麻を原料としてつくられる漆喰だそうですが、乾くのが早いので時間との勝負ということは知らなかった気がします。ばれんと同じで、鏝そのものもきれいでした。

繊細なものから躍動感あふれるものまで、まあみごとなものです。立体的、具象的な羽の様子が伝わるでしょうか?

ITOまなびやSTATIONのシンボルのシロクマさん。

大分県の安心院(あじむ)町に行ったときに、たくさんの鏝絵を見ました。私が見たのは戸袋や壁に描かれているものが多く、遊び心が感じられるようなデザインと素朴な色使いが印象的でした。
防火の意味があるので、海や波模様はよく見られますが、この作品の波の躍動感、しぶきがかかってきそうでした。寄せては崩れ大きく波しぶきをあげる、ちょっと荒れた海。海は荒れていても赤らんだ朝の空(東伊豆町にお住まいなので、朝日かなと)からは明るさが伝わってきます。漆喰を材料にして、鏝で仕上げたので鏝絵というのでしょうが、一般的な鏝絵とは一線を画していることは確かです。

たった一つでしたが、いわゆる漆喰細工。洋風天井に飾られるような作品がありました。

ありがとうございました。お正月らしいよい体験を楽しみました。

 


ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html