蓼科聖光寺。去年に引き続き柴燈大護摩供に参拝し、火渡りに参加させていただきました。
重ねて参拝していろいろなことがわかりました。どうして去年は分からなかったのかと不思議なほどです。
奈良薬師寺の別院ですから「まだまだ新しいお寺です」とご挨拶の時におっしゃいましたが、大きな社会問題であった交通事故撲滅のためにとトヨタが聖光寺を創建したのが1970年。なんと私たちが結婚した年ですから、人間の尺度で言えば十分な年月です。
護摩焚きが行われる区域はしめ縄が張られていました。御幣は五色。白、赤、黄、緑、紫…きっと何か意味があるのでしょうが、お聞きできませんでした。去年は全然目に入らなかったのです。その気になると御幣が見つかると思います(笑)。
お経や祝詞や皆さんが心を込めた法要が始まります。
法要が始まる前に、護摩木に願いを書いて名前と年齢(数え)を書きます。去年は年齢を書くことを知らないままでした。気持ちとして、300円供えます。
山伏の方々が、一枚ずつ持ち上げて祈念してくださって、護摩焚きの火が燃え盛った後に火の中に投じられます。
そして、十分に水を含ませた大きな材木を使って火を沈めて、いよいよ火渡り。
御歳96歳の松久保秀胤長老が「恐れを感じる人は渡らないように」とお話しされました。参拝された方はほとんど渡られたのではないでしょうか?
護摩焚きはあっても、火渡りまでさせていただけるところはほんとに少ないらしいですから。
僧侶の皆さんの後、トヨタの豊田会長、佐藤社長をはじめとするトヨタ関係者。
「下を見ずにまっすぐ前を見て。ちゃんと祈念するのですよ」この注意も去年はなかったような。
護摩を焚いた幅は結構広いので、足元はほんのり暖かく、作られた道の左右端はもう少し暖かい程度で、決して「心頭滅却すれば火もまた涼し」というようなものではありません。
渡り終えると、お餅とどら焼きのお下がりをいただきました。去年のことは全く記憶にないのです。
その後に破魔矢を5本射ります。多分東西南北に鬼門でしょう。
今年は、その破魔矢をいただけることになりました。とってもラッキー!という気持ちになるものですよ。
護摩焚きに引き続き、萬燈供養会が行われます。境内の萬燈のゆらめきの中、廻向功徳観音を前に声明が上がり、参拝者が焼香して交通事故で亡くなった方々に回向を手向ける。50年以上も繰り返されてきた法要です。
天気予報はそんなに良いものではなかったのですが、松久保老師がお出ましになる時には雨は降らないと言われている通り、お天気に恵まれた法要でした。敬虔な気持ちになりました。
by 高槻絹子