ユーチューブ動画などで日本は凄いとのタイトルの動画をよく見かけます。日本人にとって日本をよく思ってくれる外国人などの感想や気持ちは、快く気持ちが良いのもです。しかし、中には受け狙いでアクセス数を稼ぐためにアップしているものも見え見えです。
歴史として少し距離を於いて今回の『巨大映像で迫る五大絵師―北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界― 』 を拝見して、こんな事を考えてしまいました。
文化が栄えるためには、平和がかくも大切なのだと。260余年に亘る徳川の御代(みよ)に感謝です。
〇 平和だけでは文化が繁栄するとは限りません。文字が読めて瓦版を購入して読む世の中であったこと。これすなわち、文盲の人が少なく私塾や寺子屋として読み書きそろばんを学ぶことができたことです。そして支配階級のみに偏らずに庶民の経済も潤う程ではなくても廻っていたことです。
〇 読み書きそろばんが出来ること、即ち繁栄した社会であったこと。飢饉の到来の時を除けが生命を維持するだけに人生を歩むだけではなく、芸術としても浮世絵や富嶽三十六景などの文化に浸る事が出来た世だからです。
〇 一部の王族や貴族など支配階級だけが、文字を学び富を得て文学や芸術に接した欧米とは異なるのです。一般庶民に読み書きそろばんが広まり、現代の新聞が瓦版として売られ、今の写真集が版画として版元より出版されたのです。直接的に只生きるだけならば必要としない心を潤すものが売られたのです。開国を迫った国々はさぞかし驚いたことと思います。
〇 神社仏閣を詣でるために旅行をすることが出来た世が他の国など、この時代の世界に在ったでしょうか。大山詣で富士山詣で、伊勢神宮など神社仏閣に参拝する治世に驚くばかりです。今なら何ら驚く事にあたりませんが、300年400年前からの日本の姿を思うと感嘆してしまいます。
今の価値観を以ってしても何ら遜色はありませんし、ある意味今の時世より文化的には進んでいたのかと思う程です。
それでは、よく見かける富嶽三十六景などを初めとしてアップします。
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