『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

如月二月、今月の四品その1

2009-02-06 17:51:43 | 酒の肴
まだまだ寒さが続き風のつめたいこのごろ。
みなさま風邪など引かれていませんでしょうか?
最低気温が零下になることもほとんどなく
暖冬と言われている東京ですが、
寒いと身体は縮こまり、空気や水の冷たさが沁みますね。

そんな季節に全国の醸造元は寒造りに励んでいます。
赤鬼にも、年明けから新酒が続々と入荷しています。
今年もほんとうに、勢いがあっておいしいお酒が
どんどん出来てきています。

お酒のことはまた後日当欄でご案内するとして、
そんな季節のお酒に合う、ほっこりとした酒肴が四品、
今月も出揃いましたので、ご紹介いたします。

まずは一品めから。



「しじみとあさつきの酒蒸し」

蜆も寒シジミといって寒い季節にプックリとおいしくなりますね。
肝臓に良いのはよく知られていることですが、
おいしくてお酒飲みにはさらによい、
そんなしじみを酒蒸しにしました。
毎月次々と中身がかわる赤鬼定番の「小鍋立て」です。

土鍋のふたを開ければたちのぼる香気。
その湯気も、ごちそうですね。
合わせたのはまず浅葱、上品でやわらかな葱の味が
蜆のうまみを引き立てます。
さらに豚肉少々と若布も入ってますます芳醇なスープに。
蜆の栄養は汁に溶け出しますが、
身の方にもかなり残っているのだそうです、
どうぞ貝の身も汁も、たっぷりと最後まで召し上がってください。
しみじみと美味い蜆です。



如月二月、今月の四品その2

2009-02-06 17:38:13 | 酒の肴
「揚げ新ごぼうの生のりあんかけ」

やわらかい新牛蒡が出回る季節になりました。
煮てもきんぴらにしてもおいしい牛蒡ですが、
さっくりと素揚げにして、
生海苔のみずみずしい餡をかけてみました。
海のものと山のものの取り合わせです。
食感と香りと、まさに渾然一体の妙味。

土膏(どこう)動く、という言葉があります。
今ごろから啓蟄あたりにかけての季節の言葉だったと思います。
ものの芽に先がけてまず、土のあぶらがゆるんで動きはじめる。
土を耕して季節を感じてきた先人の、
なんと的確な表現であることか。
土のものであるごぼうの若い根、
その味にも春の予感が息づいているようです。

如月二月、今月の四品その3

2009-02-06 17:28:57 | 酒の肴
「地鶏の餅包み揚げ」

まさに名前の通りの料理なのですが、
「今月の四品」を2月1日に更新して
一番人気なのがこれ。
シンプルななかに工夫の生きた
「組み合わせの妙」とでも言いましょうか。

やわらかに出汁で炊いた地鶏で
まっしろのお餅を巻き包み、
片栗粉をまぶしてカラリと揚げてあります。
下味のしっかりついた鶏の滋味、
かみしめればしっかりうまみを吸ったお餅がむっちり。
お餅のなかに餡を…というものは多々ありますが、
これはお餅を餡にしてしまった逆転の発想で
思わぬおいしさを発見していただけることと思います。
ビールにもお酒にも合う揚げものです。


如月二月、今月の四品その4

2009-02-06 17:12:51 | 酒の肴
「豚耳と菜の花、葉玉葱のぬた」

昨年好評をいただいた「豚耳とアスパラガスのあえもの」。
ミミガーは意外と日本酒に合うのですね。
今回はまたさらにひとひねりして
ぬたに仕立ててみました。

菜の花のほろにがさと目に鮮やかな緑色、
葉たまねぎのほのかな甘みとシャッキリした口当たり、
そこに豚耳のコクとこりこりした歯ごたえが合わさって
なかなかに食べごたえのある一品になりました。
酢味噌のとろりとした中にもきりっとした味わいが、
個性の強い三つの素材をまとめています。
濃厚芳醇なお酒に、とてもよく合いますよ。